男子最終戦は小平Vで終幕。“3歩後ろ“に優勝請負人
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2018/12/25号
2019/01/15更新

男子最終戦は小平Vで終幕。
“3歩後ろ“に優勝請負人

 男子ツアー最終戦、ゴルフ日本シリーズJTカップは石川遼、ハン・ジュンゴンをプレーオフで下した小平智が優勝。このVは、小平のエースキャディで、今月53歳になる大溝雅教さんにとっても特別な1勝だった。

おめでとう小平!おめでとう大溝キャディ!

 小平はこれがツアー通算7勝目。だがバッグを担いだ大溝さんにとっては30勝目。片山晋呉から始まったプロキャディ人生(00年)は、雇い主がいきなり賞金王に輝くという強運ぶり。その後、藤井かすみ、有村智恵らを担ぎ13年に小平の初優勝(ツアー選手権)を支えると、いつしか"優勝請負人"と呼ばれるように。生涯1勝もできないキャディもいるなか30勝はあっぱれ。

 優秀なキャディは選手をコントロールしたがるケースもあるが、大溝さんは出しゃばらず選手の後ろを3歩下がって歩く。淡々とバッグを担いでいるだけのように見えるが、実は選手のやる気を引き出す言葉がけも。たとえば29勝目となった伊藤園レディスでのファン・アルムは「緊張したとき冗談を言ってくれたりゆるむと引き締めてくれたり。優勝の半分は大溝さんのおかげ」。

 小平の場合米ツアーのRBCヘリテージで優勝した後、もっと上を目指したいという思いが空回りし予選落ちが続いた。ふさぎ込む彼に大溝さんがかけた言葉が「もっと適当にやれよ」。「軽い言葉だけど自分には重かった」と小平は気持ちを吹っ切り、本来のゴルフを取り戻した。それが最終戦での優勝に繋がるのだ。

 30勝以上のキャディは彼のほかアン・ソンジュの元エースキャディ森本真裕さんとジャンボ尾崎の黄金期を支えた佐野木計至さんがいる。

 「いい選手は誰が(キャディを)やっても一緒ですよ」と大溝さんは謙遜するが、30回も優勝に立ち会ったのは"持っている"証拠。小平のヘリテージの優勝賞金だけで1億4000万円。キャディの取り分は10パーセントとされるので今年の収入は軽く2000万円を超えるはず。"職業としてのキャディ"に夢を抱かせる数字ではないか!

【関連記事】こちらも注目です!
2018/04/16 一喜一憂紆余曲折。小平智、マスターズついに確定!
2018/03/26 優作&小平マスターズ出場、50位巡る戦い
2018/06/15 Yokuyatta!小平智の”予想外”の初勝利に海外の反応は?

一覧へ戻る


バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト