ラウンド中の打球事故で会社員が死亡。教訓、“打つ人より絶対前に出ない”
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/21号
2002年更新
ラウンド中の打球事故で会社員が死亡
教訓------“打つ人より絶対前に出ない”
 静岡県のゴルフ場で同伴競技者の打ったボールが頭部を直撃、当たった男性が死亡するという事故が起こった。改めてゴルフ道具が“凶器”に一変することを印象づけた事故である。折しもコンペシーズン真っ只中、ゴルフを楽しむための防衛術はあるのだろうか。

 事故が起こったのは4月20日の午後2時すぎ。静岡県の中伊豆グリーンクラブの16番ホールでの出来事だった。16番というのは、このゴルフ場では最も長い420ヤードのミドルホール。地元の大仁警察署とゴルフ場の話を総合してみると、事故は次のような状況の中で起こった。

 このコースのメンバーでもある神奈川県大磯町の男性会社員Aさん(46)が放ったティショットはミスショット。フェアウェイにあるものの、グリーンまで250ヤード近く残ってしまった。同じ組でプレーしていた同県中井町の男性会社員Bさん(50)は、Aさんのボールの30ヤード先の左ラフに打ち込んだ。

 セカンド地点で一気に距離を挽回しようと、Aさんはキャディバッグの中から手にしたのは3Wだった。その頃、Bさんは左ラフにある自分のボールを探していた。ボールを見つけたBさんは、ボールの後方に立って何番で打てばいいのかグリーンを見て考えていた。

 3Wを抜いたAさんは、グリーンに向かってショットを放った。しかし、ヒール気味に当たったボールは低いライナー性の球となって、30ヤード前の左ラフに立っていたBさんの後頭部を直撃してしまったのだ。

「すでに意識不明の状態だったようです。現場からキャディがすぐに無線で救急車の手配をしましたが、ゴルフ場が市内から離れていることもあり、現場到着まで時間がかかってしまいました」(同ゴルフ場副支配人)

 よくボールの右前方に立つのは危険だという認識は、ゴルファーの間でも浸透しているようだが、左前方も決して安全ではないということをことを証明する格好になった。救急車が到着後、Bさんはすぐに病院に運ばれたが、間もなく死亡した。

「Aさんたちは会社の接待ゴルフとして4人1組でコースを回っており、ボールを打ったAさんは接待する側、亡くなったBさんは接待される側だったようです。現場検証もまだ行っていない状況で、Aさんに過失があるのかないのか、またキャディをはじめゴルフ場側に責任があるのかどうかなど、まだ詳しいことは何もわかっていません」(大仁警察署・副署長)

 ところで、こんな場合、個人で加入しているゴルファー保険は面倒を見てくれるのだろうか。「練習場やコースなど正規の場所であれば、基本的にプレー中のケガや死亡事故は保険の対象になります。ただし、故意に狙ったり、被害者と加害者が同じ屋根の下に住む親族の場合は賠償金は支払われません」(東京海上火災・保険広報室)

 つまり、夫婦や親子でラウンド中に死亡事故を起こした場合、賠償金は支払われないことになる。そのうえ、過去のケースからしても、ボールの前方にいたことで保険金額が減額される可能性があるという。

「95年に埼玉県のゴルフ場では、シャンクしたボールが前を歩いていた男性の頭部を直撃し、被害者は脳挫傷による後遺症が残ったケースがあります。このときは前方を歩いていた被害者にも過失があるとして、過失相殺が適用。加害者と被害者の過失割合は7対3と判断、大幅に減額されました」(日本損害保険協会広報室)

「ボール直撃のケガを防ぐにはプレーヤーの前方に立たないことが一番。とくにバンカーではあらかじめフェースを開いて打つのでシャンクも多いし、思いがけないホームランが出ることもある。前に出ないことはもちろん、プレーヤーも打つ前に声を掛けたいし、同伴競技者もプレーヤーから目を離さないことですね」(沼沢聖一プロ)

 スコアアップ以外の面においても、やはり、ゴルフは基本を忘れてはいけないスポーツだということと同時に、マナーとは安全を守るためのものでもあることもゴルファーたる者、肝に銘じておきたい。

 
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