PGAツアーはプレーヤーズ選手権の初日の夜、当面の間試合を中止、または延期する措置を講ずるとジェイ・モナハンコミッショナーが表明した。新型コロナウイルスの影響が拡大し続けるなか、選手たちの反応と本音を探る。
松山英樹の初日のコースレコードが幻となってしまったプレーヤーズ選手権。2日目以降は無観客での開催が決まっていたのだが、一転して中止が決まった。その裏には舞台のTPCソーグラスと同じフロリダのディズニーワールドやユニバーサルスタジオが営業を自粛する流れがあり「このままツアー続行することはできない」とモナハン氏が判断。しかし結論が出たのは現地時間木曜日の午後10時前だったため、混乱が起きた。選手たちには一斉に中止を知らせるメールが送られたが、ローリー・マキロイは「寝ていて気づかなかった」。しかしながら、翌朝5時半に目を覚まし事態を知ったディフェンディングチャンピオンで世界ランクナンバーワンは「それは正しい判断だと思う」と納得。ロッカーに置いてあった荷物を取るためコースに戻ったマキロイは、記者たちに囲まれると「近づきすぎないで」とユーモラスな表情ながら真剣に半径1メートル以内に近づかないよう注意していた。
そのころオーガスタナショナルが正式にマスターズ(4月9日~12日)の延期を発表。さらに17日には、マスターズ後の4試合の中止、および全米プロの延期も発表された。
「マスターズの延期にも驚きませんでした。中止や延期の判断は正しい。自分たちにできるのは必要な予防措置を講じることだけです」(ポール・ケーシー)。
バスケットボール界で感染者が出たこともあり中止、延期は「大歓迎」というのはゲーリー・ウッドランド。「いまは悪化する一途なのでゴルフをしないことが最善。すべての人の健康と安全が最優先です」(ウッドランド)
タイガー・ウッズも「いまはゴルフよりも大切なことがたくさんあります」とコメント、ツアーの判断を支持した。
メモリアルトーナメントのホストであるジャック・ニクラスも「人々を重大な健康リスクにさらさないことが大事。ゴルフ界が下した決断と行動を賞賛する」と語った。
「家族に喘息を患っている人がいる」というジョン・ラームは「怖いです。頻繁に手洗いしなくては。清潔に過ごすことはプロゴルファーというより一市民の役割です」。
オーガスタ出身のチャールズ・ハウエル3世は「せめてもの救いはマスターズがキャンセルではなく延期だったこと」だという。
では試合がない間選手たちはなにをして過ごすのか?「釣りをします」と、気分転換宣言をしたのはキャメロン・スミス。ビリー・ホーシェルは「練習してスキルアップ」と言い、新型コロナウイルスの感染テストも受けるつもりだという。リッキー・ファウラーは「家に帰って少しリラックスします。ある意味、これをちょっとしたオフシーズンにしたい」と、気持ちを切り替える。
一方、マキロイは「ゴルフはするけれど、なんのためにしているのかわからないまま練習することになってしまう……」と無力感も口にした。
世界中で情勢が刻々と変化しておりツアーの再開の時期も不透明なため、ほとんどの選手は「練習と愛する人(家族)との時間を大切にする」と答えている。果たしてパンデミックの終息はいつになるのだろうか?
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