お手柄キャディ中クラ覇者宮本勝昌も知らなかったベントの”目”
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2019/05/28号
2019/06/07更新

お手柄キャディ中クラ覇者
宮本勝昌も知らなかったベントの”目”

 宮本勝昌の約2年ぶりのV。勝利の陰にハウスキャディの金言「目があります」があったという。はて、ベント芝のグリーンに順目、逆目などの"目"はできるのか? 考察してみた。

2年ぶりのVに宮本の目はキラキラ!

 中日クラウンズ、最終日18番、宮本勝昌は10メートルのパットの前、ハウスキャディの遠竹則子さんから「傾斜が2つあって、目を知らないと入らないです。まっすぐ狙ってください」との助言を受け、そのとおり打って入り、優勝を決めた。宮本はラウンド後、「目があるとは初めて知った」と述懐。普通、平地でのベント芝には目はできないといわれる。だからこそ宮本も驚いたわけだ。果たして名古屋GC和合Cに目はあるのか……。

 同コースのメンテナンス管理課では「芝を刈るのもダブルカットにして、可能な限り、目はできないように苦心しています。しかし、うちの芝種は第2世代のL93(現在は第4世代)。10年も経つと芝のDNAが先祖帰り(ペンクロス)したり、子、孫と進化したりして葉幅に変化がみられたりしてきます。ルーペでアップすると葉幅が揃ってない部分も出てくるのがよくわかります。そうなると目が出て来ないとも限りません。そのあたりは何とも言えないですね」

 中日クラウンズで14年まで30年間、テレビ解説をしてきた川田太三氏は目についてこう解説する。「正確には目はないと思います。ただ読み切れない傾斜やラインを昔の高麗芝の名残でキャディは目と表現したのではないでしょうか」

 確かに富士山や、那須岳などの高い山の麓のコースでは目は存在する。それは芝も植物である以上、生育上、根は水や栄養素を追いかけ、葉は太陽を向く。だから富士山から順目というような目ができるのだ。

 芝はデリケート。できるだけ目をつくらないようにグリーンキーパーたちは奮闘しているが、その微妙なラインを読むのもプレーヤーの楽しみといえるかもしれない。

  
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