葭葉の失格。来年なら4ペナで済むのだけれど……
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2015/12/8号
2015/12/02更新

葭葉の失格。来年なら
4ペナで済むのだけれど……

 伊藤園レディスで葭葉ルミが失格になった。これがもし2016年だったら、そうはならなかったのだ。さて、どういうこと?

痛恨

 2日目、葭葉は隣のホールのグリーン上に乗ったボールをあるがままの状態でプレー。「目的外のパッティンググリーン」上のボールに対し、規則25-3bが求める救済措置をとらなかった違反の罰打を付加せずスコアカードを提出したため、スコアの過少申告で競技失格になった。

 葭葉の8番ティショットのボールは隣接する14番ホールのグリーンに乗った。ゴルフ規則ではプレー中のホールのグリーン以外のすべてのグリーンを「目的外のパッティンググリーン」と定め、その上のボールは無罰の救済措置をとらなければならない、と規定している。だが葭葉はこれを怠り(2打罰の違反)、スコアに罰打を加えなかった。「理解していなかった自分が悪い」と反省する葭葉だが、これには背景に国内ツアー(男女とも)独自のローカルルールがある。

 国内ツアーでは、プレー中のホールの予備グリーン(サブグリーン)は、先の「目的外のパッティンググリーン」ではなく、あるがままの状態でプレーしなければならない「スルーザグリーン」に規定、葭葉は隣接ホールのグリーンもこれと同様と誤解していたのだ。予備グリーンをこのように規定するのは国内ツアー独特のローカルルールで、海外から参戦した外国人選手を驚かせている。

 「(同ローカルルールの改訂は)検討課題にはなっていますが、今後の方向は決まっていません」(LPGA)。男子ツアーの事務局も同様の答えだった。

 なお、葭葉の失格処置だが、来年のルール改訂では規則6-6dに「プレーヤーがスコアカードを提出する前に罰を受けていたことを知らず(=違反の事実に気付かず)罰打を含めなかった場合は競技失格とならない」とする例外が導入され、葭葉の場合は救済措置違反の2罰打に加え、「スコアの誤記」に対する2罰打、計4罰打の付加で競技失格は免れる。

 
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