週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

セベみたいになりたい！
ラーム、欧州年間王者に

　欧州ツアー19年の最終戦ＤＰワールドツアー選手権で25歳のジョン・ラームが優勝、初の年間王者に輝いた。

　スペイン勢としてはセベ・バレステロス以来の快挙。「セベはわれわれのヒーロー。並べてうれしい」というラームが獲得したのは優勝賞金３００万ドル（約３億２６００万円）に加え、年間王者のボーナス２００万ドル（約２億１７００万円）。一夜にして家が何軒も建ちそうな額を手にしたのだから笑いが止まらない。

　しかしその道のりは険しかった。最終日の前半は快調にスコアを伸ばし一時後続との差は「６」まで開いていた。楽勝ムードが漂うなか、トミー・フリートウッドの猛攻で形勢は一転。後半６つのバーディを奪ったフリートウッドがもたつくラームの背中をとらえ、通算18アンダーで先にホールアウト。並ばれたラームは最終ホールでバーディを獲らなければ勝てない状況に追い込まれた。

　最後は６２０ヤードと距離のあるパー５。ドライバーで会心の当たりを見せたラームは４番アイアンでグリーンを狙うも打球はバンカーへ。それでも「ダフりながら寄せた」と３打目でピンそばをとらえバーディで決着をつけた。「前半と後半ではまるで違う日のゴルフみたいだった。嘘みたいにパットが入りまくっていたのに途中からミスショットが続くわ３パットするわでボロボロ。でも上がり数ホールのプレーは誇りに思う」。ラームはこれで世界ランク３位に浮上。「セベのようなカリスマになりたい」と瞳を輝かせた。

　一方、世界ランク２位で４度目の欧州ツアー年間王者を狙ったローリー・マキロイは４位に終わり、欧米ツアーダブル戴冠ならず。とはいえ年間４勝、トップ10入り19回は「これまでにない達成感。多くのことを学んだから来年が楽しみ。でもしばらく休めることがもっと楽しみ！」。来年もマスターズでグランドスラム達成を目指す。

　　
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