ラウンド中ボールが尽きて失格になったプロ
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2019/07/23号
2019/08/21更新

ラウンド中ボールが尽きて
失格になったプロ

 ラウンド中ボールが底を尽きそうになり、肝を冷やした経験がある人は少なくないだろう。その悪夢をこともあろうに試合で経験した不運な(?)プロゴルファーがいた。その、事の顛末は……?

 欧州の下部ツアー(チャレンジツアー)のアンダルシアコスタデルソルマッチプレーに出場していたフランス人プロ、クレメント・ベラルドは大会初日の16ホール目で持参のボール(何個だったかは明らかになっていない)をすべて使い果たしてしまった。球がなければプレーはできない。失格である。1ラウンドを消化する前にロッカールーム行きとなってしまった。

 目下世界ランク1909位、32歳のベラルドにとってその日は散々だった。スタートホールでいきなりダブルスコアの「8」を叩くと、ショットもパットも噛み合わず16ホール目までで10オーバー。ボールがなくなって失格という珍事の主人公に相成った。

 しかし、じつは超有名プレーヤーが同じような状況に陥ったことがある。なんとタイガー・ウッズ。しかも、あの有名な15打差で圧勝を収めた00年の全米オープン(ペブルビーチGL)のことだというから驚く。

 荒天で第2ラウンドがサスペンデッドになったためタイガーはバッグのなかのボールをいくつかホテルに持ち帰って部屋で練習。だがそのことをすっかり忘れ、ボールを補充しなかった。

  迎えた第3ラウンドの最終18番。タイガーの打球は太平洋に消えた。そのときバッグのなかの残りボールは1個。しかし“虎の子の1球"を守りきり、後続に15打差をつけ優勝したのだ。

 が、その事実に気づいていたのはキャディのスティーブ・ウィリアムスだけ。圧勝劇から7カ月たつまで彼はタイガーがあわや失格の状況に置かれていたことを雇い主にも周囲にも漏らさなかった。

 まさかフランスの無名プロとタイガーに共通点があったとは。いや片や失格、片や歴史的大勝なのだから共通点というには語弊があるが……。

 プロでもアマチュアでも“ボールは多め"を忘れずに。

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