かつては「来年のプロの契約状況は?」といったニュースが年末年始の定番だったが、最近はずいぶん少なくなった気がしないだろうか? というのも、そもそもクラブ契約を結ばないプロが増えてきているからだ。
18年の男子海外メジャーの優勝者は全員、契約フリーのプロだったという話題を耳にしたことがある向きは多いだろう。この傾向が顕著になってきたのは2年ほど前、ナイキがクラブ生産をやめてから。タイガー・ウッズやローリー・マキロイはすぐに他メーカーと大型契約を結んだが、ブルックス・ケプカやフランチェスコ・モリナリ、トミー・フリートウッド、ポール・ケーシーなどは、メーカーとの総合契約を拒み、かつ良い成績を修めている。
そんななか、米ツアー3勝のライアン・パーマーの発言が注目を集めている。「問題は大手メーカーが、フルの契約を結ぶことを強要していることだ。正直に言えば、そうした契約で得ることのできる金額に、それだけの価値はない。だから私は、自分が使いやすく、自信が持てるクラブを使っている。ゴルフコースで契約金以上の金を稼ぐことができるんだよ」と、語ったのだ。
メーカーとフルの契約を結ぶと、10〜11本のクラブは当然そのメーカーのものを使用しなければならなくなる。メーカーの顔となるような選手なら、10億円単位の契約金が支払われるうえ、自分に合ったクラブを作らせることができる。しかし、中堅のプレーヤーでは、契約金は数千万円。米ツアーで1勝すれば軽く1億円以上稼げる現状では、賞金で稼いだほうが効率がいいというわけだ。
確かにメーカーとの契約金も値上がりしているものの、米ツアーの賞金アップ率には追いつかない。メーカーの売り上げも伸び悩むなか、トッププレーヤーに10億円単位の契約金を支払うと中堅以下の選手に契約金を回す余裕がなくなる、というのが実のところ。
「賞金で稼ぐぞ!」というフリー契約選手が何を使っているのか、チェックするのも一興だ。
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