災い転じて超ラッキー?寄せ集めのクラブで63出したプロ
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/01/01号
2019/01/15更新

災い転じて超ラッキー?
寄せ集めのクラブで63出したプロ

 米男子ツアーの下部組織ウェブドットコムツアーのQスクール(最終予選会)で珍事が起きた。

 2019年の出場権を目指す戦いに挑んでいたコーディ・ブリックはピンチに陥っていた。予選会3日目を終えて49位。19年の出場権を得るためには少なくとも最終日40位以内に入らなくてはならない。

 決戦の朝、彼は「今日は8アンダーで回るぞ」と意気込みながら朝食をとっていた。するとダイニングルームに飛び込んできたコーチの婚約者がこう言い放ったのだ。「あなたのキャディバッグはどこにあるの? ガレージのドアが開いていてクラブが見当たらないんだけど」

 最初は何を言われているのかわからず頭のなかは真っ白。「5分たって、ようやくクラブが盗まれたことに気づいた。もうパニックさ」

 そこからブリックは予選会を完走するためクラブ集めに奔走。コースのグリーンキーパーからドライバーを借り、タイトリストから3番ウッド、そのほかのメーカーからバラバラのアイアンを調達し、ウェッジはプロショップで試打用を拝借。普段使っているものより「ずっと重いパター」をタイトリストが提供してくれ、ようやく14本が整った。

 見たこともないクラブで回った18ホール。最悪の事態を想定していた本人も驚くような好プレーが出るわ出るわ!

  9アンダーの63をマークし順位も25位タイまで浮上。フルシード権とまではいかなかったが、前半8試合の出場権を無事獲得。戦う場のない失業の危機を借りものクラブで乗り超えたというわけだ。

 その後彼は自身のインスタグラムに「クラブを盗まれた。持っている人、目撃した人に5000ドル(約56万円)を渡す。(盗んだとしても)尋問なし」と札束の写真つきで“懸賞金"をオファー。これは悪夢転じて福だったからなせる余裕の表れ? ブリックはこの日起こったドタバタ劇を生涯決して忘れることはないだろう。

  
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