やられたらやり返す!?有名メーカー"泥沼"裁判
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2017/12/26号
2017/12/25更新

やられたらやり返す!?
有名メーカー"泥沼"裁判

 「倍返し」は2013年の流行語だが、テーラーメイドとPXGの泥仕合(?)が、まさしく「やられたらやり返す」様相に……。

 始まりは9月。PXGは、テーラーメイドが発売を予定していたP790アイアンがPXG0311アイアンの特許を侵害しているとして、販売停止を求めた裁判を起こした。第1ラウンドのアリゾナの地方裁判所の判決では、販売停止にはならず、テーラーメイド側の勝利。その2日後に同社は問題のアイアンを販売し始めたが、PXGが「特許侵害のクラブを販売している」として、PGAツアー・スーパーストアをはじめとする大手の販売店を訴えていたのだ。

 この際、テーラーメイドの広報担当者は「テーラーメイドは、他社の知的財産権を尊重しているが、私たちに対して誰かが特許侵害の誤った訴えを起こすなら、私たちは徹底的に自身を守る」と声明を発表。11月に開催された第2ラウンドの裁判では、テーラーメイドは、189ページにわたる文書を用意して、自身の正当性を主張するとともにPXGを訴え返した。しかも、テーラーメイドが2007年~2016年に取得した諸特許を侵害しているとして、PXGの0311アイアンシリーズ、0811ドライバー、0341フェアウェイウッドとPXG社のほとんどすべてのクラブの販売停止を訴えているのだ。

 PXG側の弁護士は10月に辞め、新たにアリゾナ州フェニックスの弁護士が代理人となっている。一方のテーラーメイドは、アリゾナの弁護士に加え、ワシントンDCの弁護士との弁護団で裁判に臨んでいる。現状では、裁判はテーラーメイドに有利に進みそうな雰囲気だが、テーラーメイドの訴えが認められれば、PXGのほうは、販売できる製品がほとんどなくなってしまう事態もありうる。裁判の第3ラウンドは、今月中にも開催される予定というが、この"試合"まだまだ目が離せない。

 
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