優勝杯授与拒否しておきながら大人の事情発動!?
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2017/12/12号
2017/12/23更新

優勝杯授与拒否しておきながら
大人の事情発動!?

  今年10月、米マサチューセッツ州で行われた高校生の地区大会で16歳のエミリー・ナッシュが4打差の圧勝を飾った。ところがその優勝が無効に。大会主催者がトロフィーの授与を拒否したとのことだが、どういうこと?

 トロフィーが授与されなかった理由は彼女が女子だったから。そもそも同大会はボーイズのためのもの。出場資格がないことを本人もコーチも把握していなかったという。

 地区大会で優勝すればその上の競技への出場も可能だったが、彼女は蚊帳の外。「ルールはルールだから従うしかない。これを大きな問題にしようとは思っていない」とナッシュと父はいうが、話はそこで終わらなかった。

 トロフィー授与を拒否した主催者のMIAA(マサチューセッツ・インタースカラスティック・アスレティック協会)がナッシュに『前例のない功績とスポーツマンシップ賞』を、年に一回行われるスポーツマンシップサミットで与えると発表したのだ。

 これには「つじつま合わせ」「大人の事情」とアメリカのメディアで議論が沸騰。「大ごとにしたくない」という当事者たちの思いとは裏腹に大きな話題になってしまった。

 実はナッシュが勝った試合で2位に入った男の子がトロフィーを授与されたのだが「僕はこれを受け取る資格はない。勝ったのはキミだから」とナッシュに渡そうとしていたのだとか。

 少年少女の間ではこんなに爽やかで柔軟に解決が図られていたのに、MIAAの対応は建前主義で政治的ともいえる。

 ミッシェル・ウィが男子の試合に挑戦したり、アニカ・ソレンスタムがコロニアル(PGAツアー)に参戦するなど過去に男子の試合に女子が出場した例はある。

 「もしそこでアニカが優勝していたら、女子だから賞金もトロフィーも渡さないというのか? そんなことないでしょ」とGOLF.com のコメンテーター、ライアン・アセルタが力説。とにもかくにも騒動にクールに対応したナッシュの未来が明るいものであってほしい。

 
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