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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/21
2004年更新
女子選手の男子大会への挑戦ブーム
大学ゴルフにも波及し、女子チームが挑む
 アテネ五輪では、日本は予想以上のメダルラッシュに沸いたが、米国では今大会の成果に対する検討がすでに始まっている。というのも、お家芸と言われていた男子のバスケットや野球、100メートルリレーなどで金メダルを逃す一方で、女子では、サッカー、ソフトボール、バスケットボールなど、チーム戦で、圧倒的な力を見せたからだ。

 実は、ブッシュ政権では「タイトル9」と呼ばれる、学生運動部における男女平等条例の見直しをほのめかしていたのだが、今回の五輪での、米女子チームの活躍は、この条例の成果が出たものと評価され、見直し反対の動きに拍車がついたのだ。

「タイトル9」というのは、国の援助を、直接、間接に受けている高校、大学などの運動部において、男女の差別を禁止したもの。15年ほど前に、この条例が強化され、全国の大学で女子のゴルフ部をはじめとする多くの運動部が作られた。この法案が見直されるようになると、もっとも打撃を受けるのは大学の女子ゴルフ部とも言われていただけに、五輪の成果に、米女子ゴルフ界も多少の恩恵を受けたことになりそうだ。

 そんな背景の中、この9月中旬に歴史的な大学ゴルフのイベントがカリフォルニアで開催されることになった。今年の大学選手権で優勝したUCLAの女子チームが、カリフォルニアの29の男子チームと戦うことになったのだ。

 話は、UCLAの男子チームのコーチと女子チームのC・フォーシス・コーチが、昨年のコロニアルでのA・ソレンスタムの活躍について語り合ったことから始まっている。ある意味、女子チームが男子チーム相手にどれくらい戦えるか、といった興味本位的な面もあるのだが、「まったく相手にならないようなら、最初から試合など企画しない。それに(男子チームと戦うことによって)チームのメンバーたちは貴重な経験を積むことになる」とフォーシス・コーチは自信とともに、教育的な効果も強調する。

 参加する男子チームにしても、強いチームならともかく、弱小チームともなると、ゴルフのインターカレッジといっても、ダラけたものになりがちだが、女子チームが加わることによって、女性に負けるわけにはいかないと必死になり、1チームでも女子に負けるチームが出るかどうかという興味も生まれる。

 試合は9月の17~18日、PGA・オブ・サザンカリフォルニアGCで開催。すでに、NCAA(全米学生体育協会)の許可を得て、正式な大学対抗戦の第1回大会として、今後も継続されていくものになりそうだ。

 コースは、7200ヤード以上に設定される見込みだが、もちろん男女とも同じティでプレーされる。フォーシス・コーチによれば、このコースは海抜600メートル強の高地にあるので、実質は6900ヤード前後になるそうで、女子でも十分に男子と戦えるコースだとか。

 そういえば、ゴルフ界の女性問題といえば、オーガスタナショナルGCの女性メンバー問題があるが、こちらは五輪の影に隠れて、こっそり来年のマスターズでは、テレビCMを復活させることを発表している。同クラブが女性メンバーを入会させないために、女性団体が大会スポンサーなどに圧力をかけ、それを受けて、オーガスタ委員会が自主的にマスターズでのテレビCMを2年前から取りやめていたもの。

 同クラブへの女性の入会に関しては、相変わらずノーコメントで「05年のマスターズのスポンサーに素晴らしい3企業を迎えることができて満足している」(H・ジョンソン会長)とかで、従来のIBMに加えて、エクソン・モービルとSBCコミュニケーションズが加わることが発表されている。

 プロやアマチュアの試合で、男性と対等にプレーをする女性の姿が、当たり前になれば、ゴルフ界の女性問題などもなくなるのかもしれないが……。

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