ターンベリーで全英オープンをやれ⁉大統領の職権乱用疑惑
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2020/08/18号
2020/09/18更新

ターンベリーで全英オープンをやれ⁉
大統領の職権乱用疑惑

 トランプ大統領が2年前「ターンベリーを全英オープンの会場に戻すよう英国政府と交渉せよ」と大使に命じていたというニュースをニューヨークタイムズが報じ、全米で話題になっている。

 18年当時、ロンドンに駐在していたアメリカ大使ロバート・ウッド・ジョンソン氏に大統領が自ら所有するトランプ・ターンベリーリゾートをローテーションの1つに戻すよう交渉するよう求めたのだが、ここには大きな問題が。

 大使はこの件を複数の高官に漏らし、それを聞いた側近のルイス・ルーケンス氏は「大統領に私的な利益をもたらし、連邦の倫理規則に違反することになる」と警告。「英国側に働きかけるべきではない」と忠告したが、大使は大統領の命に逆らうことができず、数週間後スコットランドの国務長官にターンベリーの全英のホストコース復帰の要請を行った。

 これはあくまでもニューヨークタイムズとCNNが報道した大使の周辺の人々の証言。英国政府は国務長官がジョンソン大使と会ったことは認めたが「そのような要請は受けていない」と公式に発表している。

 トランプ大統領も7月22日に行われたコロナ対策の記者会見で記者からこの件について質問され「その事実はない」と全面否定。しかし「ターンベリーは世界で最高のゴルフコースの1つ。それはいうまでもない事実」と、ちゃっかりコースの宣伝を行った。

 ヘルスケア関連商品を扱う大企業ジョンソンエンドジョンソンの製薬財産の相続人であり、ニューヨークジェッツのオーナーでもあるジョンソン氏は政治経験ゼロながらトランプ氏に抜擢されイギリス駐在大使になった人物。

 もとはといえばトランプ氏の差別的発言がもとで開催コースから外されたターンベリー。家族が所有するゴルフ場にメジャーを呼ぶ根回しは職権の乱用といわれても仕方ない。数々のドラマを生んだ名コースだけに惜しいことは惜しいが……。

  
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