アマチュアの出場試合数「8」に制限。裾野拡大につながるか
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/11/05号
2019/10/30更新

アマチュアの出場試合数「8」に制限。
裾野拡大につながるか

 LPGAがアマチュアのツアー競技への主催者の推薦による出場回数を来季から8試合までに制限するとした。識者の意見は……。

 アマチュアの推薦枠に関しては、年間4試合という制限を撤廃した01年以降、ツアーへのジュニアの参戦機会が増え、その結果03年に、当時アマチュアの宮里藍のツアー競技優勝の快挙、そして現在の黄金・プラチナ世代の台頭・活躍へとつながっているという経緯がある。

 今回、制限が設けられたのは、ますます増え続けるこのジュニアの出場に対して、教育現場サイドからの懸念や要望に応えたという背景もあったようだ。

 今回の決定に関して、ジュニア時代にプロの試合に出る機会も多かった永井花奈の父親の利用さんは「学生にとって8試合は適正な試合数だと思います。娘もそうでしたし、周りを見ても10試合以上出ている子はあまりいない。それに本来は、2カ月に一回ぐらい出て、そこで課題を見つけ、次の試合で自分の成長を確認するというのが良いペースだと思います」と話す。

 ジュニアの育成に実績のある井上透コーチは「教育的な観点からであれば、学期中の出場を制限し、春季や夏季の休暇に集中して推薦枠を増やすというような設定もあったのではないか。学業が理由なら、マンデーからの参戦も日程的な負担になると思うのですが……」といった提言をしている。

 最後にプロの立場から森口祐子は「スポーツ界では14~15歳がトップに立つ競技も少なくない。ゴルフも01年以降のジュニアのツアー参戦は、プロに少なからず意識改革をもたらしただろうし、ツアーの底上げにつながったと思う。ただ今後を考えると、推薦による出場試合数に制限がないという方向は、一部の人気トップアマの出場機会はますます多くなるが、裾野を広げることにつながるのかは疑問。とくにジュニアへの推薦枠は、実績重視はもちろんだが、可能性のある子どもへの出場枠の拡大に、これを機に目が向いてくれば良いと思うのですが……」という。

 規約変更によって、より“雑草的"な魅力を持つジュニア発掘の機会につながることを期待する。

  
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