日本ゴルフ協会NO・1、2の失態を識者はどう見る
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2019/07/23号
2019/08/21更新

日本ゴルフ協会
NO・1、2の失態を識者はどう見る

 今年の女子アマ日本一を決める大会で、前代未聞の失態が起きてしまった。

 ご存じの方も多いだろうが、顛末を簡単に記すと──。

 日本女子アマ最終日。大会を主催するJGA(日本ゴルフ協会)の竹田恒正会長を乗せ、山中博史専務理事が運転していたカートが、10番ホール、最終組のキャディバッグを乗せたカートを追い越そうとしてぶつかった。その際、接触した衝撃で古江彩佳の3番ウッドが折れた。しかし、カートは止まらずそのままグリーンへ。古江はプレー中だったが、追いかけ抗議。その後、古江は代替クラブでプレーを続行したが、最終的には通算12アンダー、単独5位で試合を終えた。

 その翌日、山中氏はJGAの公式サイトに謝罪文を掲載。抜粋すると「100%私の不注意」「古江選手の気持ちに大きな動揺を与えてしまったことを考えると、懺悔の気持ちでいっぱい」「今後、今回のことを理事会で報告し、適切な対処をしてまいります」などと述べている。

 同乗していた会長は協会の顔、専務理事は実務を統括する最高責任者。つまり協会のNO・1とNO・2が引き起こした失態ということになる。

 海外のツアー競技に詳しいテレビ解説者の佐渡充高氏は「ナショナルオープンを主催し、ルールを統括する競技団体が選手たちのプレーを妨害するなど考えられません。海外でこのような事例がないか調べてみましたが、僕が調べた限りでは皆無。前代未聞です」

 USGA(全米ゴルフ協会)やR&Aで競技委員を務めた川田太三氏は「起こってしまったことはいくら謝罪しても取り返しはつきません。問題はそれ以前の心の持ちようではないでしょうか? USGA、R&Aのエグゼクティブディレクターなどを見ていると、何をやるか(What)はなく、どうやるか(How)が行動規範になっている気がします。今回の件でも少しのHowがあれば、無理に追い越さないという配慮ができたはずなんですが……。それにしても山中氏はUSGA幹部などと同じくプレーヤー出身(1978年日本ジュニア優勝)で、人柄も良く、みんなから好感を持たれる人だけに、今回のことは残念な限り。加えて竹田会長のコメントが何もないというのも、腑に落ちない感じがします」と話す。

 JGAは山中氏の謝罪文でひとまずの幕引き、のつもりなのだろうか。

  
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