出世街道走ったプロ、アルコールとうつで休養へ
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/05/28号
2019/06/07更新

出世街道走ったプロ、
アルコールとうつで休養へ

 米ツアー4勝の米国人プロ、クリス・カークが34歳の誕生日の前日(5月7日)、アルコールの乱用とうつ病の治療に専念するため無期限でツアーを休養すると発表した。

 「アルコールとうつの問題と関わってから随分時間がたちました。自分が頑張ればやめられるものだと思ってきましたが、事態はそう簡単ではないようです。ツアーを休み真剣に問題と向き合うことに決めました。どれくらい時間がかかるかわからないけれど、家族にふさわしい男になって戻ってこられるよう頑張ります」とツイッターに綴ったカーク。

 学生時代から将来を嘱望され、下部ツアーで2勝を挙げPGAツアーに昇格した11年、マスターズ直前のシェルヒューストンでフィル・ミケルソンに次ぐ2位入賞。その年、全英オープンと同週開催のバイキングクラシックでツアー初優勝を飾り“出世街道"へ。以降15年のクラウンプラザ招待でジョーダン・スピースら強豪をおさえ、ツアー4勝目を挙げるまで順風満帆。プレジデンツカップのメンバーにも選ばれ、世界ランクは最高16位にまでなった。

 だが4勝を挙げてからカークの名前が聞かれなくなる。フェデックスカップのポイントランクも14年の2位を最高に44位、54位、92位、66位と下降線を描き、今季は出場17試合で予選通過は6試合だけ。ポイントランク179位に低迷していた。とはいえ、ここ何年もアルコール依存傾向やうつの問題を抱えながら、昨年まで賞金シードを守ってきたのはすごい。

 そしてこうして本人がいま何をすべきかに気づき、行動を起こしたのは勇敢なことだ。「こういうデリケートな問題を公にするというのは大きな勇気が要ること。良くなるための第一歩を踏み出した彼をPGAツアーファミリーは全面的に支援したい」とコミッショナーのモナハン氏。

 タイガーの例もあるように、再起する者にアメリカは優しい。カークもぜひそうなってほしいと願う。

  
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