米男子ツアーでは有力大学生ゴルファーが中退してプロに転向するのを避ける策をかねてから検討してきたが、ここにきて「前代未聞の秘策が実現する可能性がある」と米ゴルフ誌が報じた。
その秘策とはPGAツアー傘下のプロツアー参戦権をカレッジゴルフのトップ選手たちに与えるというもの。
タイガー・ウッズはスタンフォード大在学中に全米アマ3連覇を達成し「学生としてすべてをやり尽くした」と大学を2年で中退、プロに転向している。だが今回実現の可能性があるプログラムを利用すれば、学業をまっとうしながらプロとしてツアーに参戦することが可能になる。
大学トップとはアマチュアランキングの上位選手のこと。ツアー側は詳細をほぼ決定済みで、あとはNCAA(全米大学体育協会)や各大学のコーチ陣との調整を待つばかりという。
勉強しながらツアーで戦えるという学生側のメリットもあるが、これはいわば在学中のドラフト制度。青田買いが加速するという懸念もある。
PGAツアーの担当者は「このプログラムが実現すればツアーのバリューも上がる。大きな変革への第一歩」というが、過去には若くしてプロに転向し、期待されながら重圧に耐え切れず大成できないどころか消えていった有望選手もいる。
アメリカの大学では学業でも一定の基準以上の成績を修めないと、いくらゴルフがうまくても試合に出してもらえない。将来を見据え文武両道を良しとする教育が浸透しているのだ。
しかし、先の米女子ツアーのQスクール(来季の出場権を争う最終予選会)では上位に入って出場権を得た有力大学生たちがこぞって中退しカレッジゴルフのシーズン半ばでアマチュアとしてのステータスを放棄するという事態に。その現実を踏まえ、学業とプロを両立させようというPGAツアーの新たな試み。果たしてツアーと大学生ともにウィンウィンの秘策となるだろうか?
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