中国の投資家グループが、ウイルソンやルイスビル・スラッガー(アメリカのスポーツ用品メーカー)などを傘下に持つ「アメアスポーツ」を52億ドル(約5800億円)で買収した。
アメリカの報道では、ロジャー・フェデラーやセリーナ・ウィリアムズ、錦織圭らと契約するテニスラケットメーカーが買収されたと強調されているが、ウイルソンといえば、ジーン・サラゼン、アーノルド・パーマー、ニック・ファルドなどと契約していた老舗のゴルフクラブメーカーでもある。「ラケットメーカー」と報じられるのは、現在はゴルフ部門の存在感が小さいからだろうが、それだけに気になるのは、今後のウイルソンゴルフの行方だろう。
もっともアメアスポーツにすれば、テニスを含めたボールを使う個人競技の売り上げは全体の11%弱(年間約380億円、2017年)。主力はアウトドアスポーツで、ウェアやシューズなどのブランドが利益を上げている。加えて、アメアスポーツのヘイキ・タカラCEOは「アメアスポーツを独立した会社として残すという計画は、われわれの戦略とビジネスに対する強い信頼を示すものだ」と語り、買収されてもとりあえずは“現状維持"ということなのだろう。逆に、投資家グループの核である「アンタスポーツ」などの中国における販売チャンネルを利用できるようになることから、ウイルソンゴルフも伸びていく可能性も出てきている。
とはいえ、もしゴルフ部門が赤字を出し続ければ、中国の投資家グループからの圧力であっさりサヨウナラなんてこともなくはない!? 成り行きに注目だ。
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