新オーナーの施策裏目?あの〞超名門〞ウェントワース経営危機に
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2018/09/04号
2018/08/24更新

新オーナーの施策裏目?
あの〞超名門〞ウェントワース経営危機に

 イギリスの"超名門"ウェントワースクラブが経営危機に……?

  欧州ツアーのメジャー、BMW PGA選手権も開催される、言わずと知れた超名門なのだが、同クラブが大幅な赤字を出している。2016年には、560万ポンドの赤字だったのが、昨年には1300万ポンドにふくらんでいると報じられている。

  4年ほど前、同クラブをタイ-中国系の億万長者“ヤン・ビン"ことチャンチャイ・ルアイラングアング氏の率いるレインウッド社が1億3500万ポンド(約190億円)で買収して以来、メンバーとオーナーとの対立が泥沼化。年会費を8000ポンドから1万3500ポンドに値上げしたり、会員であることを維持するためにメンバーに追加の10万ポンドを要求(係争中で現在は任意になっていると報道されている。ちなみに新規の入会金は12万5000ポンド)したりして、オーナーサイドが旧メンバーの追い出しにかかり、新たな裕福なメンバーに入れ替えようとしているとされていた。

  同クラブのチーフエグゼクティブのステファン・ギブソン氏は「レインウッドグループが買収して以来、メンバーのためにクラブハウスやコース改造の投資を行っている」ことが、赤字や借金の増えた理由だという。

  しかし、売り上げ自体も1770万ポンドから、17年には、1450万ポンドに落ち込んでいる。クラブの主な収入源は、メンバーの年会費で、それが値上がりしているにもかかわらず、売り上げが落ちているということは、メンバー数が大幅に減少しているうえ、オーナーサイドが狙っている金持ちの入会者も少ないということなのだろう。

  15年に習近平主席がイギリスを訪問した際、中国のイギリス投資の一つの象徴として取り上げられたり、トランプ氏が大統領になる直前に同クラブの理事になるなど、名門クラブだけに、注目度も非常に高い。同クラブの今後にイギリスのゴルフ界が大きな関心を寄せている。


【関連記事】こちらも注目です!
2015/11/10 中国系に買われた英の名門ウェントワース会員に異変!?
2016/02/23 火種は中国?名門コースウェントワースが訴訟問題にゆれるワケ

一覧へ戻る


バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト