賛より否が多かった全米OPの難セッティング
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2018/07/10号
2018/07/26更新

賛より否が多かった
全米OPの難セッティング

  全米オープンが終わった直後から、各メディアは勝利したブルックス・ケプカのことより最難関ともいわれたコースセッティング(以下CS)や、フィル・ミケルソン問題(60頁~の「山を動かす」参照)に話題が集中した。

 ケプカの優勝スコアは1オーバー。「ボギーなら本望。ダボだけ叩かないようにした」というからその難しさは想像できよう。同オープンを主催するUSGA(全米ゴルフ協会)はCSを3つの要素で難しくする。つまり、フェアウェイを狭くし、ラフを伸ばし、グリーンを速くする。今回はその3つの要素のうち、グリーンの速さが“半端なかった"!? ステンプメーターで11フィートが標準といっていたが、今回は13~ 14 はあったという。しかもグリーンの傾斜が4%あるところでは絶対にボールは止まらない。とくに3日目の乾いた硬いグリーンでは、ピン位置の難しさもあいまって、選手からはブーイングの嵐。ダスティン・ジョンソン、ヘンリク・ステンソンなどが「不公平だ」と不満をもらし、ザック・ジョンソンはUSGAに「コースを見失った」と申し立てたほど。

 USGAのCS責任者のマイク・デービスは「3日目のピン位置については少し行きすぎていた」と認めた。

 今大会で競技委員を務めた川田太三氏によると「USGAは、4年ほど前からフェアウェイを広くとるようにしているので、今大会ですぐに路線変更はできず、そのしわ寄せがグリーンに来たのでは。ギリギリに調整しすぎと感じました。それにポアナ(スズメのカタビラ)が午後には伸びて、ボールが跳ね、ライン通りの転がりがなくなりました」

 テレビ解説者の佐渡充高氏は「全体としては全米オープンらしいと思いましたが、3日目はやりすぎです。ベストショットを打ってもいい結果にならないのは、真の世界一を決める大会としてはアンフェアでした」

 一方で賛同者もいる。テレビ解説者のタケ小山氏は「全米オープン本来の優勝スコアがイーブンパーなので元に戻ったということでしょう。最近、生ぬるいと感じていましたから。それにUSGA設立より古い歴史を持つシネコックヒルズの権威にかけてというプライドが、あのセッティングにさせたのでは……」

 賛否両論だが、“過ぎたるは及ばざるがごとし"論がやや優勢!?

 
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