トーナメント最終日の注目は通常、最終組に集中する。第1組の選手が話題になることはまずない。ところが、先々週の米ツアー、BMW選手権で、その「まずない」ことが起きていた。
話題を集めたのは、ウェズリー・ブライアン。ゴルフファンの間では、早くからトリックプレー動画の「ユーチューバ―」として人気の選手だ。
BMW選手権の最終日、彼はトップスタートで、一人(同伴競技者なし)で回ることになった。
そこでとった行動が「スピードプレー」。18ホールをどれだけ早い時間で回り切るか、への挑戦だった。
7時30分にティーオフしたブライアンは、アウトの9ホールをすべてパーでプレー。所要時間は42分。
続く10番はボギーとしたが、12番・13番で連続バーディ。その後は、またパーをキープ。最終18番パー5は2オンに成功。20m近いイーグルパットを打つや、ボールが止まるのを見
届けることなく、後を追うようにカップに歩み寄り、そしてタップイン。18ホールを89分=1時間29分でラウンド。しかも、スコアは69。自身の大会ベストスコアだった(前3日間のスコアは76、71、72)。
何でもデータを記録する米ツアーだが、ラウンドの最短記録の公式記録はない。しかし、ちょうど1年前の最終戦、ツアー選手権で、やはり第1組をひとりで回ったケビン・ナが119分=1時間59分で競技を終了。それを伝えるメディアは「公式記録はないが、最短記録だろう」と紹介している。
また、このときナはパープレーの70(同じく自身の大会ベストスコア)で回ったことから、「パーもしくはそれ以上のスコアで、このラウンド時間は誰にも破られないだろう」と豪語していた。その記録を1年後、ブライアンは大幅に更新したことになる。
実はこのふたり、BMW選手権の3日目に、第2組で2サムでラウンドしている。ひょっとして、そのときにナにけしかけられたのかも。
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