フェニックスのギャラリー61万人。成功の秘訣は砂漠にあり!?
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2016/03/01号
2016/02/23更新

フェニックスのギャラリー61万人。
成功の秘訣は砂漠にあり!?

 フェニックスオープンは1週間で延べ61万8365人のギャラリーを集め、新記録を樹立したが、最初は主催者の"草の根運動"から始まった大会だった。日本ツアーも学ぶべし!

 同大会は1932年から始まった。きっかけは地元青年商工会議所の町おこしとしての提案だった。地元企業、商店街に呼びかけ、少額ながら広く資金提供を受け、また市民の一人ひとりに声をかけるようにして、入場券を売ったという。その積み重ねがあって今日の隆盛を招いている。

 アリゾナは砂漠が多く、観光資源もないが、南西部で冬でも暖かく、雨も少ないため、冬季にイベントを行うには適している。そこで"何もない"砂漠を逆手にとったのだ。

 「ポイントはキャパ。1日20万を超える人が車で押しかけても、それを収容できる駐車場を造るスペースが砂漠にはあったということでしょう」(テレビ解説者・佐渡充高氏)。コース(TPC・スコッツデール)もスタジアム形式にして、ホール間にはトイレや食べ物を提供できる巨大パビリオンを造る敷地があった。入場券の売り上げで大会の運営費を拠出して、他は地域のための病院建設費などへ寄付され地元へ還元される。そこには大会開催にあたってスポンサーだけに頼るという発想はない。

 翻って国内では。「日本男子ツアーが縮小しているのは、スポンサーだけに頼っているからだ」というのは、ゴルフジャーナリストの岩田禎夫氏。今年も日本男子ツアーは、シンガポールオープン、ミャンマーオープンと2週続けてアジアンツアーと共催で開幕。2試合とも日本企業がスポンサーだが、アジアでの開催は日本でやるより安上がりというのが理由のひとつという。日本では賞金総額のほか、運営費、テレビ放映権買い取りなどでその倍額をスポンサーが全部出費する。米ツアーでは、前述のフェニックスオープンも無論だが、スポンサーが負担するのは賞金総額+αだけという。

 「スポンサーにおんぶに抱っこの体質を、今からでも死にもの狂いで変えていくしか生き残る道はないのでは……」(前出・岩田氏)

 ケタ外れの成功例には学ぶべき点ばかりだ。

 
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