クラブを解散、3月末で閉鎖するファイブエイトGC(栃木県矢板市、以下58GC)。メガソーラーや農業などに事業転換し、会社の存続と全従業員の雇用の確保を約束するなか、新たな計画が明らかになった。
ゴルフ場用地の8割にはメガソーラーを設置するが、残る用地に戸建て住宅を建設するというのだ。コースも数ホール残し、ゴルフ好きのアクティブシニアを対象にして分譲販売していく計画だ。同社の小森寿久社長によれば、「まだ調査、企画段階で法的な手続きもこれからです。ただ、私どもとしては農林業の活性化などによる地方創生、また高齢化社会に向けて健康寿命の伸長に貢献したいと思い、実現に向けて頑張っていきたいと思っています」
住宅付きのゴルフ場といえば、石川遼が購入したことで話題を呼んだ富津ブリストルヒルGC(千葉県富津市)があるが、閉鎖するゴルフ場用地を活用しての分譲住宅は、おそらく世界的にも初めての試みだろう。ゴルフは好きだが、「定年してゴルフに誘ってくれる人がめっきり減った」(63歳)、「ゴルフ場までの車の運転が億劫」(68歳)などという声もあり、「セカンドライフをゴルフコースで」というニーズは案外、高いかもしれない。
これまで同社では「食とエネルギーの自給自足」を謳い、ゴルフ場施設内でのイチゴなどの無農薬栽培や、重油を使わないバイオマスボイラーの導入など、さまざまなチャレンジを続けてきた。今回、ゴルフ場は閉鎖するが、会社の存続、全従業員の雇用を可能にしたのは、そうしたゴルフ事業以外に撒いてきた"種"があったからだ。
「ゴルフ人口に比べゴルフ場の数が多いことは間違いありません。それだけに私どもが、ゴルフ場の事業転換のモデルケースを示せれば、と思っています」(小森社長)
ゴルファーの新たなニーズを掘り起こす可能性もある企画だけに、今後の展開に注目したい。
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