「ファン第一」「アイデア出します」初メジャー戴冠 石川遼はゴルフの“未来”も考える
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2015/12/29号
2015/12/22更新

「ファン第一」「アイデア出します」初メジャー戴冠
石川遼はゴルフの“未来”も考える

 JTカップで今季国内2勝目を決めた石川遼。米ツアーで"薄氷のシード"を守り、日本ツアーの出場義務を果たす24歳が展望するのは自身のことだけではない。日本ツアーの現状や今後を憂い、大いに語った。

日本ツアー7戦2勝で獲得賞金8778万円余り

── (初日に)「天気も悪く、会場の雰囲気も暗かった」といっていましたね。

石川 寒いなか、多くのギャラリーに来てもらえたのですが、正直いって、盛り上がりはいまひとつかなと。土曜でも1万人は超えて、日曜なら1万5千人くらい観に来てもらえていたはずです。ギャラリーを増やすにはまず、自分も含めて、もっとレベルの高い試合を見せられなければいけない。僕が賞金王だった年は、僕もワールドランクで40~ 50位前後だったんです。しかし、今年のJTカップ出場選手に50位以内の選手がいない。そういうことも、ゴルフファンはわかっているんです。男子ゴルフがもう1回、新しい人も含めて注目されるように変わっていくべきですよね。

── そのためにはどうすればいいでしょうか?

石川 ファンを第一に考えることでしょう。ファンの目線に立ってトーナメントのことを考える。次に、新たなファン、とくに若い人を、というのが大事になってくるでしょう。ゴルフは敷居が高いスポーツじゃないよ、ってことを伝えたい。日本のゴルフ場では、レンタルクラブも30年前のクラブが出てきたりしますよね? アメリカで練習のために借りて出てきた左のレンタルクラブは、1年前のクラブだったんです。ここがまず、違うなと思いました。日本には"新しい"ゴルフ場が必要なのかもしれません。たとえば、クラブハウスにバーやカフェがあって、半袖短パン、Tシャツサンダルで気楽にコースに行けるとか。ウェアもレンタルクラブも全部パックになっているのとかどうでしょう? 初心者にゴルフに触れやすくなるように、インストラクターがついていたり……。いろんなアイデアを出していくことがゴルフ業界のためになるなと思います。

── 過去の優勝に"日本"がつくタイトルがなかった。

石川 選手たちそれぞれで(意識が)違うんじゃないでしょうか。実際2009年に日本オープンでプレーオフになったんですけど、あんまり意識しませんでした。でも、勝った選手にしかわからないものかもしれません。僕のなかではタイトルに対して強く意識をしたことはありません。でも、片山さんやジャンボさん、青木さんなど、複数回勝っている人は必ず上位に来る。それは意識している証拠で、やはり、タイトルを獲った人にしかわからないんでしょう。

── (今季)日本人複数回優勝は石川選手だけですが。

石川 まさか複数回優勝がキョンテの5勝だけとは思っていなくて、びっくりしました。それだけ日本ツアーのレベルが上がっているのか、上が少なくてそこまでが詰まっているのかですね。誰が勝ってもおかしくない状況になっているのかな、と。日本ツアーに出ている選手は層が厚いんじゃないかなと思います。

── 五輪出場は視野に入っていますか?

石川 あまり考えてないです。考え始めるのは50位以内になってからだと思います。世界ランクには第一集団・第二集団みたいな塊が現在はあると見ています。いま、上位20位くらいまでにいるのが第一集団。で、そこから下50位くらいまでが第二集団ですね。タイガーが強かったときは彼が断トツで抜けていたんだと思います。しかし、今は上位の20人くらいが抜けているんです。その20人にとどまり続けるということがすごいことであり、重要なことだと感じています。だから、その上位20人に食い込んでいける位置に立つまでは心境に変化はありません。ただ、その上位20人にとどまるということをまさにアメリカで(松山)英樹が体現させています。それがどれだけすごいことかというのをもっと伝えてほしい。アメリカの1勝の価値をもっと伝えてほしいんです。

── 今後のスケジュールと2016年の目標は?

石川 年内に10日間くらい沖縄に行って練習をしたいと思います。自分の土台づくりとアイアンの精度を高めていくのが一番のテーマ。あとは、大晦日やお正月のテレビの仕事です。ゴルフ界の人間には非常に嬉しいこと。先日も英樹と一緒に撮影しました。日本のお茶の間の人たちにゴルフというものをアピールできるすごく良い機会だと思いますので。

 
【関連記事】こちらも注目です!
2015/10/15 6番ウッド!? 石川遼の“独特な”セッティングが話題に
2015/08/17 米撤退は「ない」それが“遼の意志”父・勝美氏が語る石川遼の“いま”
2015/01/27 松山から刺激を受けた!石川遼の米ツアー戦略


一覧へ戻る


バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト