週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/5号
2014/7/29更新

アン・ソンジュの「バンカースタンス2打罰事件」
異議あり! の声も

 全英女子オープン、バンカーで「スタンスを作る」(規則13・3)違反で2打罰を食らったアン・ソンジュだが、その措置を巡ってちょっとした論議も呼んでいる。

 というのも、これまでこの規則に違反した事例が、世界のツアーでも見当たらないのだ。JGA(日本ゴルフ協会)で"ルール担当"の市村元氏も「小さな試合ではあるようですが、日本を含め、世界の大会でも記憶にありません」

 これまでのルール問題の様事例を集め整理しているルール研究家の小山混氏も「砂のテストとかソールが触れたとかはありますが、"スタンスを作る"ことは寡聞にして知りません」

 規則13-3〈スタンスの場所を作る〉には「スタンスをとるときに両足をしっかりと据えることは認められているが、スタンスの場所は作ってはならない」とある。アンのその時のビデオを見ると、確かに左足で2回ほどライを平らにして、右足は踏ん張り直す際にずらしてスタンスを取り直している。これらが「スタンスを作る」違反として完全にアウトとされたのだが、異論も出ている。

「ライブで見た時は感じなかった。その証拠に解説陣もその時点では問題提起していません。ビデオでクローズアップすると(違反に)見えるが、これまでは足元を安定させる方法といっていたのでは。遠くから見たライブ映像でも足元を安定させているようにしか見えなかった」(タケ小山)

 同会場のパウダーのような砂では足元を安定させるのに大変だったという事情もあろう。「もっと傾斜の強い左足上がりのライでは高い側から入り、片足を砂につけた場合、ずり落ちることもありますよね。その場合もスタンスを作っていることになるのかどうか……。もし僕が解説していたら(措置に対しては)異議を唱えていましたね」(同)

 アンは裁定された時、「そんなルールがあるのは知らなかった」といっていたというから、これまでも"イノセントな違反"をやっていたのだろう。それに「もし欧米選手だったらそうならなかったかも!?」という穿った見方もある。

 いずれにしても、われわれ一般アマも「足元を固める」と、「スタンスを作る」との違いを、"しっかり"認識しておく必要があるだろう。

 
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