週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/11
2013/6/4更新

「 見ていなかった」「仕方ない」
日本プロ松山の2罰打を考える

 日本プロでの松山英樹の"2罰打問題"。本人も気づかぬまま、ソールした際にボールが動いたと映像を見たギャラリーから指摘された顛末は週刊ゴルフダイジェスト等で既報のとおりだが、この裁定は果たして正しかったのだろうか。


あの2打罰がなければ……

 TVカメラの映像によって「ボールが動いた」と通報される例は、ハイビジョン放送などカメラの高性能化やTVの大型化によってここ2年ほど前から顕著になってきた。いちばん有名なのは「ハリントン事件」だろう。2011年のアブダビゴルフ選手権。ハリントン自身は認識しなかったものの、グリーン上でマークする際、ボールが動いたことを視聴者が通報。ハリントンはすでにカード提出してたため失格の憂き目に。しかしこの裁定には「TVに映される有名選手だけが不利益を被りやすく不公平」として論議が巻き起こり、R&AとUSGAは「選手自身がルール違反に気づかず、そのままスコアカードを提出しても失格は免れる」との新ルール(規則33?7)を決めた経緯がある。もっとも松山の場合は、カード提出前に本人も指摘されて確認していたので、「ハリントンルール」は関係ない。

 日本プロの主催はPGA(日本プロゴルフ協会)だったが、もしJGTO(日本ゴルフツアー機構)の主催だったらと問うと「今回の処置はベストでした。ウチのツアーで起きても同じ処理をすると思います」(JGTO広報・田中賢治氏)という。JGAからはコメントが得られなかった。

 「ネット動画、ブログやツイッターなどで論議、追及される時代。選手も気がつかなかったですまされない時代になりました。ただゴルフは『自分が自己責任を伴った裁定者』という原則があって、自分が見ていない、認識できていないものを映像で裁定されていいのか、という疑問はぬぐえないのですが」(ルール研究家・小山混氏)

 松山の場合、ボールが動いたのは「事実」だが、本人は認識していなかったそうで、裁定者としては球が動いたことを見ていないことになるのだが……。もちろんゴルフルールの原則ができあがった時代にはTVカメラもビデオもなく、問題にならなかったのだろう。いまの時代、選手はもっと目を凝らしてボールを見つめないと……。


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