群馬の“県営コース”黒字&成功の理由
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2014/11/11号
2014/11/04更新

群馬の“県営コース”黒字&成功の理由

群馬県の企業局の所有するゴルフ場5コース(上武ゴルフ場、玉村ゴルフ場、前橋ゴルフ場、板倉ゴルフ場、新玉村ゴルフ場)の経営が順調だ。その要因として、同県が平成18年度から導入した指定管理者制度があるようだ。

黒字コースのひとつ、新玉村ゴルフ場

 同制度は、平成15年、小泉内閣で施行されたもので、公共機関が持つ施設を、民間活力を用いて活性化させるが狙い。体育館や競技場、公園や美術館のほか、道の駅などで採用されている例もある。群馬県は平成27年度に現在の指定管理者の満期を迎えるが、平成28年度も引き続き指定管理者制度を採用、次期の指定管理者を募集する予定だ。  

 制度継続の要因は、5ゴルフ場が税金を使うどころか大きな利益を出していること。実際、平成25年度は5ゴルフ場で2億2775万円の黒字、また大雪や台風被害に見舞われた平成26年度も2億4993万円になる見込みだという。  

 正確に全国にいくつのゴルフ場が指定管理者制度を利用しているかといったデータはないが、ゴルフ場の場合、利用料収入による運営が基本。公共機関が指定管理料という税金を投入する施設もあり、その点、公共機関には負担の少ない施設だといえる。  

  さらにいえば、「指定管理者は経費の削減の他に、住民の福利厚生の増加、利用者サービスの向上といった点が評価され、それが選定される条件にもなっています。そのため指定管理者としても、民間よりも安いゴルフ料金の設定やキャンペーンなどの自主的な付加価値サービスの発案などを積極的に行っており、結果的にそれが入場者増や利益増につながっているものと思われます」(『月刊定管理者制度』を発行する㈱ビルネットの海野勝至代表)。  

 東京都江東区にある若洲ゴルフリンクスも、東京都港湾局が所有する都営ゴルフ場で、制度が始まった平成18年から指定管理者制度を採用している。7年契約で昨年更新を迎えたが、引き続き民間会社とNPO法人、東京都埠頭公社で組織する若洲シーサイドパークグループが都議会で再任されている。ここでも若洲GLの好調な経営が、大きな要因となった模様だ。

 埼玉県では指定管理者制度ではないが、県が出資する株式会社が4コースを運営。こちらも利益剰余金が約3億2000万円あり、民間活力により経営は順調なようだ。

 
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