賠償金打ち切りで存亡の危機も。原発被害のコースの実情
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2015/7/7号
2015/6/30更新

賠償金打ち切りで存亡の危機も。
原発被害のコースの実情

 原発事故の賠償問題が迷走するなか、「2年分の賠償金を来年度支払い、以降は打ち切り」という話も出て、該当ゴルフ場は苦慮している。

 福島第1原発事故を引き起こした東電は、これまで、4年間5兆円近くの賠償金を支払い、来年の平成28年度で賠償金の支払いは終了との案だった。しかし反発も多かったことから、同年度に2年分を一括で支払い終了する方向になったと報道された。東電側は「詳細は決定してない」としているが、実行されれば現在、営業中のゴルフ場も対象になり、営業継続できるかどうかの瀬戸際に立たされることになりそうだ。

 このことに対して第1原発から約30キロの鹿島CCは「まだ何にも聞いていないし、決まってもいない。ただ賠償金がなくなったらバンザイするしかない」(同CC)とする。

 すでに賠償金を打ち切られると通達されたところもある。その1つ、グリーンアカデミーCCでは「どういう試算だか知りませんが、もう賠償金は払わないとの通達を受けています。しかし納得したわけではないので、提訴しようかとも考えています」(兵頭法則支配人)。

 実際、提訴しているコースもある。営業が再開できないのに賠償金の支払いを打ち切られたのは不当だとして、いわきプレステージCCの元従業員6名が東電に約2450万円の損害賠償を求めているのだ。

 震災後、閉鎖している福島県内のゴルフ場は、いわきプレステージCC、クレステージCC、グリーンウッドCC、サンフィールド二本松GC、新たいらCC、リベラルヒルズGC、SK白河GCなど。

 SK白河、グリーンウッド、新たいらはメガソーラー開発で生き残りをかけているが、先行きはいずれも不明である。

 
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