週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/8号
2014/7/1更新

エリック・コンプトン
2度の心臓移植を乗り越えた不屈の男

 全米オープンはカイマーの圧勝で幕を閉じたが、そのカイマー以上の喝采とスタンディングオベーションで迎えられた選手がいる。リッキー・ファウラーと並び2位に入ったエリック・コンプトンである。なぜ人々は彼を讃えたのか?





 コンプトンはここ3年、シード選手として米男子ツアーを転戦する34歳の中堅プレーヤー。今回は予選会を勝ち上がっての出場だった。前髪が後退したちょっと冴えないこの男こそ、なにを隠そう2度の心臓移植手術を乗り越え不屈の闘志でツアーを戦う話題の人物なのである。

 心臓に異常が見つかったのは9歳のとき。患部の筋肉が炎症を起こし心臓のポンプ機能が損なわれるウィルス性心筋症と診断され、12歳で最初の心臓移植手術を余儀なくされると、29歳で再び移植が必要なことがわかり闘病。すでにプロとして活動していたが、術後は復帰不可能と医師に宣告され、一時ゴルフを諦めかけたこともある。

 しかし、地道な努力で11年に下部ツアーで初優勝を飾り、翌年レギュラーツアーに昇格。そして今回遂にメジャーで2位タイに食い込み来年のマスターズ出場権まで獲得し「夢が叶った」と喜んだ。

「初めてファウラーとゴルフをしたときは"本物のセレブだ!"と感激したけれど、今回はファウラーのほうが僕を"本物のセレブだ"っていう顔で見てたぜ(笑)」と軽快にジョークを飛ばすコンプトン。「同じ順位なのに大げさだよ」と苦笑いのファウラーだが、肩を並べ2人はとても嬉しそう。

 ちなみに前回(05年)パインハーストNo.2で全米オープンが行われたときに勝ったのも、予選会を勝ち上がったマイケル・キャンベルだった。このコースにはなぜか伏兵を輝かす魔力があるようだ。

 
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