週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/13・20合併号
2014/5/7更新

15歳293日の最年少
優勝!目標は東京五輪!プロの「勝」より「アマのままで」

 アマの利点は国のサポートを受けられること
 女子ツアー最年少優勝を果たした15歳の勝みなみはプロ転向について「そこまでの気持ちはありません」とアマチュアとしてプレーを続けることを表明。今後の目標は「五輪に出て金メダル」というが、五輪代表になるにはプロ転向が早道では? アマのままでも五輪で〝勝つ〟チャンスがあるのだろうか。




 五輪代表の選出方法はまだ決まっていないが、世界ランクを基準に「上位15人と16位以下は各国2人」が有力とされる。まずは、日本人で2番目以内に入る必要がある。ただし、アマ競技は世界ランクの対象外。勝が今年の世界アマやジュニア五輪で活躍しても、世界ランクは上がらない。

 アマ優勝といえばリディア・コーが思い浮かぶ。12年1月、14歳9カ月5日で豪州ツアーで優勝すると、さらに8月には米ツアーでも勝利し、この1年間で世界ランクは295位から43位に跳ね上がった。昨年11月のプロデビューまでにプロの試合で4勝を挙げ、アマでありながら6位まで上げた(現在は4位)。だから、アマでも1~2年で急浮上するのは不可能なわけではない。

 今回の優勝で勝は295ランクアップの163位になった。今後は、サイバーエージェントに出場予定だが、翌週のメジャー、サロンパスカップには出られない。そう考えると、アマのままプロの試合に出続けるには限界がある。やはり、プロ転向して試合に出続けて好成績を残すことが、五輪への〝最短〟ルートといえるだろう。

 とはいえ、勝が現実的に見据えているのは、最短のリオではなく6年後の東京。いますぐ世界ランクを上げる必要はない。勝は現在、ナショナルチームの一員である。この利点を生かして研鑽を積むほうが東京五輪代表を目指すうえでは現実的だ。

「ナショナルチームでは様々なサポートが受けられますが、最大の利点は最先端の医・科学技術のサポートを受けられること。競技力向上に必要な要素を最新設備で検査し、世界で戦える体作りを長期的視野で行える。これは大きなメリットだと思います」(JGAのオリンピックゴルフ対策本部)

 勝も、「ナショナルチームの合宿で受けたメンタル指導が役立っている」と話す。

 アマにはアマの利点がある。勝の選んだ道の先に五輪があるかは、6年後にわかる。

〔ゴルフ界の声〕

東京五輪も楽しみになってきた── 牧野裕(石川に続き再び15歳Vのテレビ解説者)

ゴルフが好きでたまらないプレーぶり。常に攻めていた── 古閑美保(テレビ中継でレポーター)

自分のは奇跡、ただのラッキー。いまの女子ツアーなら全然不思議じゃない── 石川遼(自身も15歳アマで優勝)

最後まで素晴らしかった!── 小林浩美(LPGA会長)

自分が高1のときは出られなかった。羨ましい!── 森田理香子(去年の賞金女王)

どんな選手になるか今から楽しみ!!── 宮里藍(18歳アマで優勝。勝の憧れの存在)

アマには優勝されたくなかった── イ・ボミ(2位)

プロである限りプロが勝たないとダメ── 原江里菜(同組で4位)

 
【関連記事】
2014/4/ 1 タイガー超えのWGC最年少優勝!パトリックが同世代をリードするワケ
2007/9/25 石川遼、最年少優勝がギネスに認定。ゴルフ部門では日本人初
2013/3/12 スタンフォード大に行きたい!またまたツアーV、最強女子アマ、リディア・コ
2003/7/15 13歳のM・ウィ、USGA主催競技で史上最年少優勝の快挙

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト