週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/17号
2012/4/9更新

タイガーついに復活V。
マスターズにピタリ照準

 ついにタイガーが復活Vを飾った。舞台は過去6勝を誇るアーノルド・パーマー招待。風が吹きグリーンが硬く締まった難コンディションのなか、全米オープン王者のグレーム・マクダウェルに5ストロークの大差をつける圧勝で復活を高らかに宣言。924日ぶりの勝利の美酒に本人は「気分は最高!」を繰り返した。

 09年のBMW選手権でツアー通算71勝目を挙げてから、72勝目を挙げるまでにまさか2年半の歳月を費やすことになるとは……。

 同年11月、自宅近くで起こした交通事故をきっかけに不倫スキャンダルが発覚。その後エリン夫人との離婚へと発展し、本業では翌10年のマスターズで復帰したものの度重なるケガとスウィング改造の難航で結果がともなわず、11年10月には世界ランクトップ50圏外に。口の悪いマスコミや心ないファンからは「タイガーは終わった」とまで揶揄された。

 昨年末にようやく自らが主宰するチャリティイベント、シェブロンワールドチャレンジで優勝を飾ったが、肝心のツアーでは3日目までリーダーズボードの上位につけながら、最終日に崩れるというパターンを繰り返し、かつての不敗神話は完全に崩壊。

 元キャディには人種差別的発言をされ、元コーチには暴露本を書かれるなど踏んだり蹴ったり。3月中旬のキャデラック選手権では最終日に古傷の左アキレス腱の痛みを訴え、途中棄権し周囲を心配させた。

 しかしパーマー招待では最終日を単独首位で迎えると他の追随を許さない安定したゴルフで逃げ切りV。ジャック・ニクラスの通算73勝(歴代2位)にあと1勝と迫り、自身が「本丸」と位置づけ照準を合わせてきたマスターズに弾みをつけた。これで一時52位まで下がった世界ランキングもパーマー招待後に6位にまでジャンプアップ。

 勝った直後「笑いが止まらない」とツイッターでつぶやいたタイガー。周囲の「もう勝てない」という声が間違っていたことを証明した今、次なる興味はローリー・マクロイら次世代との直接対決だ。

 ところで現在タイガーのコーチを務めるショーン・フォーリーは大会前「自分は今、世界で一番有名なコーチと呼ばれているけれど、タイガーを勝たせられないんだから最低のコーチかもしれないね」と自嘲気味に語っていた。しかし、この1勝でフォーリーの評価も上がりそう。

「最近また飛ぶようになった。飛ばし屋の一角を担うのはやはり気分がよいものだね」とタイガーがいうのはフォーリーと取り組んだ左軸スウィング改造の賜物。

 コーチとの二人三脚で挑むのはもちろんマスターズでのメジャー15勝、通算73勝目だ。




 
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