> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/15号
2009/9/4更新
メジャー2冠! フェースに太ミゾ入った
ナイキの新パターの実力とは

 4大メジャーが終わり、米PGAツアーは、終盤戦のプレーオフシリーズに突入した。これまでの試合を振り返ると、例年であれば、大きな試合に優勝したプレーヤーが使用していたクラブやギアが注目を浴びたり話題になったりするのだが、今年はとんとそんな話が聞けなかった。しかし、実は来年発売ということで話題に上らなかったが、注目のパターがあった。


秘密は溝にあり!? S・シンクはメソッドパターで全英オープンに優勝

 それは、全米オープンと全英オープンでそれぞれ優勝したルーカス・グローバーとスチュアート・シンクが、ともに使用していたナイキの「メソッド」という新パターだ。

 2人ともナイキの契約プロだが、これまでナイキのパターにはヒット作がなかったのは事実。ナイキの顔であるタイガー・ウッズも、パターだけはナイキではないスコッティ・キャメロンを使用している。

 それが、今年はメジャーチャンピオンのうち2人までがナイキパターを使っての優勝を果たしたのだ。

「このパターが自分のゴルフに大きな違いをもたらした。全米オープンでは、このパターが大いに役立った」と、グローバーは言うが、何がこれまでのパターと違うのだろう。

 一番の違いは、フェースに逆U字型の、アイアンのような溝が刻まれ、そこにインパクト時の振動を吸収するポリマーが埋められている点だろう(ナイキによればポリメタルグルーブ設計という)。

 さらに溝をつくるために削られた30グラムの重量をトウヒールに加えている。そのため、ソフトなフィーリングで、よりワイドスポット効果を高めているという。

 もう1つは、従来のパターのロフトが4度前後なのに対して、このパターは2度とロフトが立っている。

「(ロフトが立っていることで)バックスピンがかかりにくい。打った瞬間に見て感じることができるはず。ボールはよく転がり、滑ることもないし、バウンドすることもない。プロの多くがこのパターにチェンジするようになって、これが成功したことがわかった」とナイキのトム・スタイツ・クラブ開発ディレクターは語る。

 実際、グローバーの昨年の平均パット数は1.792で107位だったが、今年8月24日現在、1.751で32位と調子を上げている。

 今季米ツアー1勝、欧州ツアー2勝でワールドランク3位のポール・ケーシーは、このパターを使用して、昨年の平均パット数1.873の193位から1.781、104位としている。

 もっとも、シンクの場合は、昨年の1.765(32位)から1.786(116位)と順位を落としており、一概に数字だけで判断するのは難しいのかもしれない。

 パター設計者で世界のパター事情に詳しい山田透氏は、実物を見ていないのでと断りながらこう語る。

「このパターの特徴は、収縮率の違う素材をフェースに埋め込み、確かな平面を構成している点にあります。これを作るのは簡単なようで難しい。それとロフトが2度というのは珍しい。ロフトがあると溝が見えて嫌だということもあるのでしょうが、ロフトが少ないとバックスピンが少なく、転がりはいいはずです。不安材料は、溝の幅を写真から測定すると約2.3ミリと推測されますが、パッティングでボールとフェースが接触する部分は3ミリ程度。インパクトの際、ボールがフェースの金属部分に当たるか、溝のコンポジット部分に当たるかで、転がりの差などが出ないか、という点です」と分析する。

 もっともこのモデル、日本には「まだ1本も入ってきていません。入り次第、深堀圭一郎など日本のプレーヤーもテストすることになるでしょう」(ナイキジャパン広報)。

 正式には来年2月世界同時発売というこのパター、アメリカでは11月に限定モデルの発売が噂されているが、話題がホットなうちに発売されれば、さらなる人気を呼ぶとも思われるのだが。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です