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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/26号
2009/5/15更新
新型インフルエンザで6月ニューヨークで
開催の全米オープンは大丈夫?

 警戒レベルがフェーズ4から5に上がった新型(豚)インフルエンザの影響がゴルフ界でも懸念されている。特に、6月に米国ニューヨークで開催される全米オープンが、この影響を受けてどうなるのか、注目されている。


02年に同じベスページパークで全米OPが開催されたときはタイガー優勝で大ギャラリーが押し寄せたが……

 当初は、季節がこれから良くなっていくことや、米ツアーにしても、メキシコに近い南部から、北部地区へと試合が移動していくことから、ゴルフ界にとっては、大きな影響は出ないと思われていた。

 ところが、新型インフルエンザと思われる感染者が、ニューヨークやカナダをはじめ世界中に広がりを見せ、米国では2人の死者が出た(5月7日現在)ことから、無視できなくなってきている。

 その感染者が出たニューヨークでは6月に全米オープンがパブリックのベスページパークGCで開催されるが、これ以上の広がりを見せると、渡米を控える日本のプレーヤーや海外の選手が出てくるのではないかとも考えられるからだ。

 4月25日、世界保健機構(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」であることを発表した。

 そして30日、警戒レベルがフェーズ4からフェーズ5に引き上げられ、各国で緊急事態宣言が出される事態となった。

 ただ、30日の発表では、国境封鎖や渡航制限については見送られている。すでにメキシコでは、新型インフルエンザによる経済への影響が出始めているといったニュースも聞くが、もちろん、現在の経済危機のなか、渡航制限などが発令されれば、世界経済にも大きな打撃を与えかねない。

 今後の推移では、フェーズ6に移行する事態や、渡航制限や国境封鎖が行われる可能性があることは間違いがない。

「国境封鎖、渡航制限というのは、日本人選手が海外の試合に出られるかどうかというどころのレベルの話ではなく、全米オープンのような国際試合が開催されるかどうかもわからなくなる。他のスポーツも含めて、そうした大会が開催できなくなるはず」(保健機関関係者)ということなのだ。

 つまり、この事態が悪化すれば、全米オープンどころか、今年の残りの男女のメジャーはもちろん、国際化が進んでいる欧米のツアー全部の開催すら危うくなる可能性もあるというのだ。

 ゴルフ界への直近の影響としては、女子ゴルフの方が大きいといえるのかもしれない。先の4月26日に終了した米LPGAツアーのコロナ選手権は、メキシコで開催されている。

 この試合の直前、体調を崩していたポーラ・クリーマーは、「自分が自分ではないような感じ。医者も何が原因かわかっていないが、今は薬をたくさん飲んでいる」などと語っていたが、こちらは新型インフルエンザではなかったようだ。

 ツアー関連では、すでに5月21日から24日に開催が予定されていた米ネーションワイドツアーのメキシコオープンの延期が決定。

「多くの人々の命が失われているなかで、ゴルフより人々にもっと現在の状況に専念してもらうことのほうが重要」(B・カルフィー同ツアー会長)という。

 JGTOでも、小泉直会長主導で新型インフルエンザ対策チームが結成された。

 現状では、「政府、厚労省と密接に連絡をとり情報収集に努める態勢です。試合会場の近くで感染者が見つかった場合は、大会中止もありうる」(JGTO広報)としている。

 もっとも、新聞報道によれば今回の新型インフルエンザは強毒性のものではなく弱毒性のものという説もある。

 一方、現在の弱毒性から“変異”することで強毒性ウイルスに変わる可能性も指摘されている。

 新型インフルエンザの被害が拡大しないことを祈るとともに、米国を含めた各国政府の対策に期待したい。

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