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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/11号
2008/10/30更新
すったもんだの末、開場した片山晋呉監修の
千葉市民G場はどんなコース?

 本欄でも再三途中経過をお伝えしてきた「千葉市民ゴルフ場」(9ホール、パー36、3055ヤード、千葉市若葉区下田町)が指定管理者認定がさし戻しになるなどすったもんだの末、10月23日に開場した。


「いろいろなゴルファーが楽しめます」と、日本オープン優勝から、なか1日おいて来場した片山

 同ゴルフ場は、43ヘクタールにも及ぶゴミの埋め立て地(下田最終処分場跡地)に、千葉市が主体となって建設を進めてきたもの。

 最終処分場はゴミで満杯となった後も、浸透した雨水が汚水となって排出されるため、相当の年月にわたって汚水処理等の管理を行わなければならず、年間1億数千万円(平成19年度実績1億5000万円)の維持管理費用がかかる。

 しかし、汚水流出防止用ゴムシートの破損を防ぐため、大きな建造物を造ることができない。そこで、広大な土地を有効活用しつつ、自然の回復を図るためにゴルフ場が計画された。

 もともと地元では埋め立てを早期に終了してゴルフ場の建設を求める意見も出されており、計画から建設工事に至るまで事はスムーズに運んだ。

 今年1月にはゴルフ場を管理運営する指定管理者に千葉市民ゴルフ新興共同企業体((株)京葉カントリークラブ、内山緑地建設(株)千葉支店)が選定され、開場に向けてさらなる一歩を踏み出したが、計画は思いもかけぬところでつまずきを見せた。

 翌2月、当初京葉CCに話を持ちかけたとされる日本プロゴルフ協会(PGA)が、「会員の総意ではなく、一企業に肩入れできない」という理由で同JVへの協力を撤回したのだ。

 10月のオープンを間近にして指定管理者が決まっていないという事態に慌てたのが千葉市。

 結局、再審査と再議決を経て、同JVが指定管理者に再選定されたが、最初の選定に際してPGAの協力体制が決め手になったとされているだけに「結果ありきの再審査ではなかったのか」(今村敏昭市議会議員)としこりを残した。

 ゴルフ場建設費用の17億5000万円は全額千葉市が負担、同JVは売上の9割をとり1割を千葉市に還元する契約だが、昨今のゴルフ場経営者から見れば破格の条件。

 選定に際して何らかの裁量があったのではと疑う者がいても不思議ではない。今後市議会には、この件を別途追及する動きもあるようなので、まだまだ気になるところではある。

 ともあれ、完成したゴルフ場は、フラットな9ホールながら3ホールに池が絡むなど本格的な造り。

 落成式典にメガネ姿で来場した設計監修者の片山晋呉は「2月に福岡で101歳の人がラウンドしているのを見て、すごいと思った。ゴルフってやっぱりすばらしい、皆さんがここでゴルフをして健康になってくれたらいい。木があと3年、5年たって成長していくことも楽しみ」と目を細める。

 プレーはすべてセルフ、手引きカートで回るスタイル。料金は一般平日4000円、休日6000円、9ホール追加平日2400円、休日3600円で、18ホール回っても格安(ゴルフ場利用税、緑化協力金別途)。

 また、高校生以下は半額で利用でき、ジュニア用レンタルクラブも用意されるなど、ジュニアに門戸が大きく開かれているのも特色だ。

「ちょうど一年前の同じ日にここに来て、その週の『ブリヂストンオープン』で優勝。今回は、『日本オープン』で優勝した直後、ここに戻ってきた」と本人も少なからぬ因縁を感じているという。

 開場するまでいろいろあったが、今回ばかりは問題なくすっきり運営してもらいたいものだ。

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