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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/28号
2008/10/17更新
ツアー競技への出場制限もあり
大学と高校の「学連」が業務提携

 10月7日、日本学生ゴルフ連盟(学連)と全国高等学校ゴルフ連盟(高ゴ連)の両組織が、ともに学生を預かるという立場から業務提携を行い、近く事務所を合併することを発表した。背景には、最近の学生トッププレーヤーに見られる、プロ入りを前提にした活動の弊害を正そうという狙いがある。そのため、学生のオープン競技出場の制限も検討課題になっているのだが、それは同時にプロを夢見る学生の競技活動が制限されることになる……。

 将来のプロ入りを前提とした学生トップアマについて、かつて問題視されたのは、主にメーカーのモニタリング(用具の貸与)だった。この問題はルールブックに明確な基準が設けられ、基本的にアマチュア資格が問われるような例はなくなった。

 しかし、いま学生ゴルフ界には、より深刻と考えられる(プロ入りを夢見る選手の競技活動の)弊害がある。

 学生の競技会では表彰式の冒頭、競技委員から「スロープレー」や「同伴競技者の打球の行方を見ない」といったマナー違反がよく注意されている。それは、選手がマナーよりもスコアに頭が向いているからであり、背景には将来のプロ入り、つまりプロ入りのための競技活動ととらえる風潮があるためと、関係者は見ている。

 そのために、「のべつまくなしツアー競技に出場する選手が見られるようになった。学生時代のタイガー・ウッズを調べてみたら、彼でも競技には年間最大24日ほどしか出ていません」(学連会長・松本富夫氏)といったツアー競技の出場問題がある。

 さらに、競技成績を追求するあまりの「中高生から体を壊すほどの練習をする生徒が増えていることも、問題だと思う」(高ゴ連理事長・石田克人氏)といった指導の問題等々が取り上げられるようになってきた。

 最近の学生のゴルフに対する姿勢や取り巻く環境には苦々しく思うことが少なからずあったのだろう

 そうした課題を速やかにクリアしていくには、両組織の関係を密にし、ツアー側やメーカー、メディア等に対したほうがよい、というのが今回の業務提携、事務所合併の狙いのようだ。

 だが、現役の学生選手やその保護者からすると、今後どのような規制が実施されるのか、大いに気になるところだ。実際、今回の動きが噂されるや、学連にはその件を問い合わせる電話が多数あったという。

 一例として、松本会長が「男子のツアー機構の小泉直会長(前・日本学連常務理事)には、ツアー競技に出場する学生の数は基本的に減らすよ。推薦出場は1試合1人にするかも、と話をしたら、彼の返事は『いいよ』ということでした」と明かしたところから、ツアー競技への出場制限は導入されそうだ

 それに対して、ナショナルチームにも入るある有力学生の保護者は、「確かにプロの試合では得ることが大きく、学生には魅力です。でも、学校の部活動や競技をおろそかにしては本末転倒。要は、選手本人の心構えです」と、規制ができても、それに応じて自分のゴルフを磨けばいいだけと肯定的にとらえている。

 さて、他の多くの選手や保護者はどうとらえる?

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