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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/30号
2008/9/18更新
1人乗り乗用カートを導入したゴルフ場人気のほどは?
使い勝手はどう?

 かつてゴルフのプレースタイルは「歩き」か、「乗用カート」で選ぶしかなかった。それが今は乗用カートでも、4人乗り(もしくは5人乗り)か、2人乗りか、さらにはフェアウェイ乗り入れ可なのか等々、さまざま選択肢が増えてきた。そうしたなか、一時大手メーカーが製造していた「1人乗りカート」に新規参入、さっそくゴルフ場に納品する電気自動車メーカーが現れた。


1人乗りでもキャディバックは2個積める

 新たに1人乗りカートの製造に乗り出したのは、岐阜県のゼロスポーツという国内17番目の自動車メーカー。同社はもともと自動車販売や部品の製造・販売の会社だが、現在は環境事業として電気自動車や次世代エネルギーの研究・開発、さらには福祉車両等の車両改造も手掛け、その一環でゴルフカートのリニューアルも行っている。

 そうしたメーカーだから、電動の1人乗りカートの製造はお手のもの。同社環境事業部の担当者によれば、ゴルフ場と接するうちに、フェアウェイ乗り入れ可能の操作の楽なモデルであれば、1人乗りのニーズがあると判断。1年半ほど前から開発に乗り出した。

 そこへ、滋賀県のパブリックゴルフ場・琵琶湖大橋GC(27ホール)から製造依頼が寄せられた。同GCは、7年前からクボタ製の1人乗りカートを導入。その台数を年々増やし、100台を用意するまでになっていた。それだけプレーヤーには好評ということで、1人乗りカートだけは予約制になっている。

 今回、その買換え時期になったのだが、クボタは既に製造を中止。そこで相談したのが、ゼロスポーツだった。

「最初、うちから話をもちかけたのですが、最後はゼロスポーツさんのほうが熱心になりまして……」(喜多貞治郎支配人)

 その結果、希望通りのモデルが完成すると、一度に50台も購入した(車体価格税込:49万3500円)。同GCはもともと各自が手引きカートでラウンドするコース。その気軽さを維持するために、周囲の乗用カートの広がりに対して、1人乗りを採用した。

「フェアウェイを走行(最高時速8キロ)して、各自ボールのそばまで乗って行けるので、それぞれが同伴プレーヤーに気兼ねせずに移動できます。その自由度がいいんでしょう」(喜多支配人)

 とはいうものの――ゼロスポーツには他のゴルフ場からの問い合わせがあるそうだが――まだ他での導入はない。

「確かに1人乗りカートだと、プレーの間の移動に限れば楽なんでしょうが、そのほうが楽しいとは限りませんから」と語るのは、ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏。4人乗りには、4人乗りならではの楽しさがあるというのだ。

 しかし、その菊地氏も1人乗りにニーズがあることは認める。

 理由の一つは、乗用カートを導入したくても新たにカート道路を造成する余裕のないゴルフ場。その場合、フェアウェイを走行しても芝を傷めない、この種のカートに需要が生まれる。

 もう一つが「例えば原則歩きのコースで、今後高齢化するメンバー向けのサービスとして、こうしたパーソナルなカートはあってもいいのでは」(菊地氏)

 実際、琵琶湖大橋GCの喜多支配人によれば、「このカートがあるから通われる94歳のお客様がいらっしゃいます」という。

 確かに、それほどの高齢者であれば、移動のペースはかなり遅いのだろう。そうしたゴルファーにも他に気兼ねなくプレーしてもらうには、ひとりマイペースで移動できる1人乗りカートはありがたい。今後の高齢化社会に向け、案外、需要が高まるカートなのかもしれない。

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