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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/10号
2008/5/29更新
2大外資には負けないぞ。
国内勢ゴルフ場経営会社の勢力図

 2大外資が不動の地位を維持し続けるゴルフ場買収戦線。本格的戦線参入から4年あまりが経過した国内勢の顔ぶれも概ね定着しつつある。新興勢力と目されたゼクスが撤退を決め、レイコフが破たんに至る中、最近の国内勢上位の動向を追った。


クラブハウスも完成。 あとは指定管理者が決まるだけなのだが……

 国内勢の筆頭格は34コース保有のオリックス。かつて46コース保有で国内トップを誇った西武をついに逆転した。

 真里谷CC(現・きみさらずGL)の自己競落から数えれば14年間で34コースという計算になるが、真里谷はあくまで債権回収のために担保権を実行しただけ。当時はまだゴルフ場経営に本格的に乗り出そうというつもりがあったわけではない。

 オリックスが本格的に買収を開始したのは平成9年頃。富士カントリーグループ9コース、シンコーグループの6コースではずみをつけ、一挙にコース数を増やしてきた。

「当面40コースをめどに、チャンスがあれば買っていきたい」というスタンス。過去2年で18コースを取得しているので、このペースだと来年の今頃には当面の目標に達する勢い。外資につぐ勢いのあるのがオリックスのようだ

 オリックスに逆転された西武。こちらは買いではなく“売り”。「コース売却は一段落。当面現在の体制でいく」という。

 着実に保有コース数を伸ばしているのが市川造園グループ。古くからゴルフ場経営を手掛けてきた市川造園土木は平成9年に本庄CCが独立して以降、11コース体制が続いている。

 保有を増やしているのは、市川金治郎会長と会長のプライベート会社であるロイヤルヴィレッジGC、市川ゴルフ興業。平成12年以降、東急電鉄や住友金属工業などから譲渡を受ける一方、倒産コースのスポンサーにも就任。現在15コース。市川造園土木本体と合わせると26コースになる。

 東急不動産は3年前に一部保有コースの入れ替えを実施して以降、着実に保有を増やし、現在は21コース。このうち麻倉GCは三菱地所との共同出資会社の保有。今後も「収益性やシナジー効果が見込まれるコースは適宜取得していきたい」という。

 東急グループでは東急建設と伊豆急行がゴルフ場事業から撤退したが、東急電鉄本体保有コースが6コースあるので、合計で27コースになる。

 買収戦線参入初期には大きく数字を伸ばしたユニマットだが、現在の保有コースは21。2年ほど前まではオリックスとほぼ同程度のペースで取得していたが、過去1年間の取得コース数はわずか2コースと慎重だが、今年4月には三越がサジを投げた千葉バーディCをオープンさせている。

「保有にこだわらず、許認可取得のまま建設途中のコースや、運営受託など全方位で良い案件があれば手掛けて行きたい」という。

ゴルフ場買収の先行組でありながら、長らく10コースで足踏み状態が続いていた東京建物は、この1年間で一挙に8コース増やして18コースに。

 ただ、8コースのうち2コースは大成建設、4コースはJFE。河口湖CCに至っては、事実上の経営母体だった松屋の大株主が大成建設で、理事長を務めた柴田隆三氏は東京建物の社長、会長、最高顧問を歴任した人物。つまりは8コース中7コースは芙蓉グループ系のコースを着実に拾った、というものだ。

 残る1コースが、ゴルフ場事業撤退を決めたゼクス系コースのなかで、唯一アコーディアには譲渡されなかった都GC。「会員のサービス向上につながって、なおかつ収益にも見合うコースを取得していく」というスタンスに変化はない。

 利潤追求に対してあまりどん欲ではなく、比較的会員から歓迎されやすいという評価の現れといえる反面、高値取得から距離を置く姿勢は変わっていないということだろう。

各社独自の買収スタンスが確立しつつある買収戦線。来年の今頃、勢力図はどうなっているのだろうか。

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