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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/10号
2008/5/29更新
なぜ? 差し戻しの千葉市民ゴルフ場管理者が
“もとさや”に収まった顛末

 大山鳴動して何も変わらず。紛糾していた今秋オープン予定の千葉市民ゴルフ場を運営する「指定管理者」が、このほどようやく決まった。当初選定された京葉CCを中心とした共同企業体なのだが、後味の悪さが残ったのも事実。決定したといっても6月に市議会で承認が必要になり、越えるべきハードルは低くはない。




「何ともスッキリしない」。そんな印象が刻まれたような結論だった。

 今年2月、全面協力を表明したとされる日本プロゴルフ協会(PGA)の後押しがあったとして選ばれた同企業体だったが、PGAの協力撤退によって指定管理者が差し戻されたことは、大きな傷を残したといえる。

 選定委の構成は教育委員会次長を委員長として市教委幹部ら6人、公認会計士、弁護士、ゴルフ場経営経験者の9人で3回再審査を行った。

 PGAの協力が「虚偽」にあたるとして再審査されたわけだが、結果は、同企業体の提案は「虚偽」ではなく悪意もなく、また、事業遂行能力や施設管理・経営管理などの点でも高い評価を得て再選定された。

 もっとも、最初に応募した提案内容は変更することはできない決まりがあるので、「虚偽」問題で瑕疵がなければ再選定されても不思議はない。

 ただPGAは昨年11月の理事会でこのゴルフ場に関わらないことを決めている。この動きに対して同企業体が知らなかったというのも無理がある。同市教委も情報収集に怠慢であったことも指摘される。

 それだけに同企業体が「虚偽」なしとして、再選定されたことは、一抹の疑問が残る。当初から選定する企業体が決まっていたのではないかという疑惑も指摘されているだけに、2月議会で33年ぶりという議案撤回に至った問題は依然としてクリアされていない。

 同市経済教育委員会に所属する今村敏昭議員は強調する。

「選定委の結論は、今回の疑惑払拭には至っていない。『虚偽』に当たらないと言うのも強弁の極み。改めて一から選定し直すと、今秋のオープンに間に合わないため急いで結論を出したとしか思えない。ふざけてる」

 正確には今年10月23日オープン。同市教委社会体育科の小野直哉氏は「いつでもどこでも気軽に利用できることをコンセプトに、ゴルフ人口の裾野を広げ、幅広く増やしていくきっかけにできれば」と語る。

 プレー代は、9ホールで、平日は4000~5000円。土日休日は5500~6000円に予定されている。場所も東京都心から1時間弱。京葉道路の貝塚ICあるいは東関東道の四街道ICからともに約20分と交通アクセスは抜群。オープンされれば魅力あるゴルフ場になることは間違いない。

 予定通りのオープンを期待したいが、公共事業だけに千葉市当局には公平な審査と疑惑が生じない選定を行う義務がある。

 同企業体の代表者である京葉CCの瀧波貴之代表取締役は言う。「再選定されてほっとしているが、最終結論は6月議会の結果次第。まだ安心できない」

 前出の今村議員は「指定管理者制度の信頼を損なわないように、6月議会で慎重に議論し、注意深く対応したい。できれば一からやり直したい」とも話す。

 もし6月議会で否決されれば、2番手の企業体に運営が委ねられる。一刻も早くすっきりした状態に戻ること願うばかりだ。

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