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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/3号
2008/5/24更新
成功だった? JGTO初の海外試合
北京OPの報道されなかった裏話

 先々週の国内男子ツアーは、北京郊外のパインバレーゴルフリゾート&CCで開催された「パインバレー北京オープン」。日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認の初の海外開催ゲームだったが、地上波でのテレビ中継はなく、またスポーツ紙等の扱いも小さかった。JGTOでは「成功」と評価し、今後も海外開催に積極的な姿勢を見せたが、果たして実情はどうだったのだろう。

 この大会は、もともと中国ゴルフ協会などが主催し、同協会とアジアンツアーがそれぞれ公認する北京オープンとして昨年から開催。そこに今年からJGTOも公認し、共催競技として規模を拡大して実施された。

 今回、日本ツアーにはアジアンツアーと同数の60人の出場枠が用意されていたが、事前の予想通り、シード選手の多くが欠場した。理由は、翌週の日本プロを前に、煩わしいことが多々ある海外遠征は避けたい。

 また、北京五輪の話題で、連日メディアは大気や食品の汚染など、不安を掻き立てる情報を多く報じていた。そのことも選手に二の足を踏ませたようだ。

 で、実際の大会運営だが、まずコースセッティングについては日本からツアー開催コースのグリーンキーパーが準備段階から参加、まったく問題のない仕上がりになっていた。競技運営も各ツアーのスタッフによって、スムーズに進められたようだ。

 問題は、競技以外の大会運営。当然のことながら中国のゴルフ競技は発展途上。今回は開催コースのパインバレーが唯一のビッグスポンサーで、そこにとってはプロアマ戦がメインイベント。

 プロアマ重視のオーナーが“つるの一声”で競技方法を急きょ変更させたり、またそのプロアマ戦の進行が遅く、大渋滞すると、途中で帰ってしまう参加者もいたという。

 もっとも、ゴルフの歴史の浅さを考えると、こうした混乱は仕方ないところなのだろう。

 それでも日本ツアーにとっては、今回は大会を実現できたことが大きな成果。多少の混乱覚悟で、「やってみなければ、何も始まらない」といったスタンスでの海外初開催だった。

 中国でゴルフ場運営やゴルフビジネスにかかわって13年。今では、中国全土で100店舗以上の小売店を展開するとともに、日本メーカーの総代理店やコンサルティング業も務める竹田慎氏も同様の評価を下す。

 実は竹田氏、今大会開催に際してもパインバレー側から何度かアドバイスを求められていた。だが、「とにかく時間がなさ過ぎました。北京側とJGTOとの間で正式調印が交わされたのは、大会の1カ月ほど前でしたから大きなスポンサーの獲得はとても無理」。

 また、コース内のスタッフに「トップの選手は今、何番ホール?」と聞いても答えられないといった運営の不備も、結局は準備不足で、時間がなかったのが一番の問題と語る。

 それでも、日本から参加した某メーカーの関係者は、「優勝した藤田寛之はじめ、宮本勝昌、横田真一など、多くの日本選手が笑顔で、一生懸命プレーする姿が素晴らしかった」として、彼らの姿勢が無駄にならないことを願いたいと語った。

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