> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/1号
2008/12/20更新
レクサスカップでアジアチームが勝利
日本、韓国、中国、元気なアジアの現況

 今、東アジアのゴルフが熱い。アメリカの男女ツアーが、オフシーズンになっている中で、世界のゴルフ界の目は、アジア、オーストラリアに注がれている。そんな中で、オーストラリア・パースで開催された女子プロのレクサスカップで、アジアチームがインターナショナルチームを下したかと思ったら、同じ週、男子のアジアンツアーで、ウェンチョン・リャンが、中国本土出身者としては初めて、同ツアー賞金王のタイトルを獲得したのだ。


アニカ組を破った上原(左)、中国人初の賞金王リャン、いま東アジアが熱い

 レクサスカップのアジアチームは、キャプテンのパク・セリを中心に韓国、台湾、日本の混成チームで、日本からは唯一、上原彩子が参戦している。

 これに対して、インターナショナルチームは、2007年の賞金女王のロレーナ・オチョアこそ不参加だったが、ランキング2位のスーザン・ぺターセン、アニカ・ソレンスタム、モーガン・プレッセル、ナタリー・ガルビス,ブリタニー・リンシコム、クリスティ・カーといった錚々たる顔ぶれ。

 その結果が15対9というアジアチームの圧勝だったのだ。

「これでアジアの女子ゴルフがどんどん強くなっていることが、皆に分かったはず。チームのメンバーに何も助言する必要がなかった。(特に最終日の個人戦のマッチプレーは)厳しい試合になるものと皆が考えていたが、よく頑張ったと思う」とは、キャプテンのパク・セリ。

 確かに、その最終日こそ、インターナショナルチームが、6勝5敗1引き分けとその強さを示したが、初日の2ボールフォアサムでは、日本の上原が台湾のキャンディ・クンと組んで、ソレンスタムのチームを破るなど、アジアチームが6勝0敗とインターナショナルチームを総合力で圧倒。

 考えてみれば、アジアチームの3分の2以上が韓国人で、いわば米LPGAを席巻しつつある韓国プレーヤーたちの底力を見せ付けた観がないでもない。

 しかし、このレクサスカップの前週に日韓対抗で、日本の女子チームが、競り勝っているのだから、総合力という点では、日本の女子ツアーの強さも一理ある。

 いずれにしても、日本の女子に関しては、世界水準に達し始めていることは間違いがないだろう。

 一方の男子のアジアンツアーで賞金王となったW・リャンだが、本間ゴルフの所属で、れっきとした日本のツアーのプレーヤーでもある。

 2007年こそ、「5月以降、アジアンツアーの賞金王になることを目標にしていた」ために、日本では4試合しかプレーしなかったが、2006年は17試合に参戦し、フジサンケイクラッシックで2位になるなど、賞金ランキングも21位となり、最終戦の「日本シリーズJTカップ」にも出場していた。

 2007年は、3月にシンガポール・マスターズに優勝するなど、19試合に参戦して9回のトップ10入りを果たすなど、安定した強さを発揮して、53万2590ドルを稼ぎ出し賞金王のタイトルを獲得している。

「これまでのキャリアで最高のタイトル。これで自分のゴルフが次のステージに進めると思う。このタイトルは、全英オープンばかりでなく、これでアメリカのPGAツアーの招待枠でプレーできるチャンスも増えるはず。そして、この勝利が、中国(本土)でのゴルフへの関心を高めるきっかけになればと思っている」という。

 中国で初めて作られたゴルフ場で、キャディをしながらゴルフを覚え、1996年から3年連続「中国アマ」に勝利している29歳の中国期待の星。

 2006年は、オメガ中国ツアーでも2勝しているが、その優勝賞金の1万9000ドルをそのまま、若手育成のために寄付をするなど、いまや完全に中国ゴルフの第1人者に成長したといえる。

 何しろ人口が12億人の中国、これでゴルフがブームになれば、どんな才能が出てくるのか想像もつかないし、世界最大のゴルフマーケットにだってなる可能性もある。

 だからこそ、世界のゴルフ界の目がアジアに向けられ始めているのだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です