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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/14号
2007/8/2更新
高橋勝成、鳴尾GCと“顧問契約”。
プロがゴルフ場と契約する時代が復活

 関西の名門・鳴尾GCが高橋勝成と顧問契約を結んだ。バブル崩壊後、景気低迷の続く中、プロゴルファーをリストラするゴルフ場が相次いでいたが、ここにきて、再び“所属プロ”を見直す動きが目立ち始めた。


新しいイベントができれば、と高橋勝成

 JGA理事の川田太三氏は、「鳴尾は関東の名門・我孫子GCと姉妹コース。3年前に我孫子が海老原清治を所属プロに迎えたのに対して、釣り合いの取れる大物として高橋勝成に白羽の矢が立ったのでは。いずれにしても、これを機会に再びゴルフ場がプロゴルファーに目を向ける良い傾向になると思います」と話す。

 当の鳴尾GCは、「高橋プロはゴルファーとしてばかりではなく、人間的にも素晴らしい方で、伝統ある当倶楽部のイメージと合致していることから顧問をお願いしました。我孫子GCさんの海老原プロを意識したものではありませんが、友好クラブ同士で両プロを交えた対抗戦などが出来ればと考えています」(田畑支配人)とのこと。

 かねてからスナッグゴルフ大会を定期的に主催するなどジュニア教育に力を入れてきた高橋勝成にも、今回の顧問契約に期待するものがあるようだ。

「関西を代表する名門でスナッグやジュニアのイベントなどができれば、他のコースへの影響力は大きいですからね。社団法人のクラブとしての社会貢献にも期待しています」と高橋。

 一方、我孫子GCでは、「海老原プロは、人柄によるものだと思いますが、積極的にレッスンしてくれるので、メンバーの技術が向上しました。所属になってもらったのは3年前ですが、翌年にはクラブ対抗で念願の決勝に進み、今年も決勝進出を果たせました。例えば、これまでグリーンまで100ヤードとアバウトだった距離表示も1ヤード刻みに改めるなどの指導のお陰で、メンバーのゴルフに対する取り組みが真剣になりました」(吉田支配人)と所属プロの効用を話す。

 こうしたプロを積極的に雇用しようとする動きは、我孫子、鳴尾などの社団法人のコースばかりではなく、一般のゴルフ場にも広がりつつあるようだ。

 全国に124コースを擁するアコーディア・ゴルフは、昨年、前PGA副会長の中尾豊健をグループ全体に所属する72人のプロゴルファーの上に立つヘッドプロに起用した。

「ゴルフの楽しみは、やはり上達すること。プロはゴルフのホームドクター的な存在です。複数のコースのメンバーになっているお客様もいますから、プロによって教え方がまちまちでは困りますので、統一したレッスンメソッドを中尾プロを中心にして作りました。またレッスンばかりではなく、プロとして培ってきた知識を活用して、支配人やプロショップのマネジャーへ進む道もあります」(アコーディア・ゴルフ丸毛マネジャー)

 72人のプロのトップに立つことになった中尾は、こう話す。

「プロというと、トーナメントやレッスンと限られたイメージがありますが、これからはゴルフ全般の相談に乗れるようにしなければなりません。ルール、クラブ競技の運営、あるいはOB杭の見直しとか、ショップでのアドバイスとか、ゴルフに関するあらゆることをメンバーにサービスできる有能なプロを、これからも採用して行き、各コースに1人はプロを置くようしたいと思っています」

 4000人を超える会員を抱えるPGAにとってプロの職域拡大が大きな課題の1つであるが、技術が求められる職人的な存在からサービス業としての意識改革の必要な時代になったようだ。

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