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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/5号
2007/5/24更新
ロングアイアンはもう要らない!
アメリカでハイブリッドクラブの売れ行き絶好調

 米国で「ハイブリッド」が爆発的な人気、といってもエコカーのことではない。ウッドとアイアンの中間の形をしたクラブのことを米国ではハイブリッドクラブと呼ぶ。日本ではもうお馴染みのユーティリティクラブ。それが今、米国で人気を独占する勢いという。


プロの一番人気、アダムス・アイデアプロ

 ハイブリッド人気に火がついたのはPGAツアーから。以前は、アマチュアのためのお助けクラブ的な扱いで、ツアープロには見向きもされなかったが、04年、ソナーテックのユーティリティを入れたT・ハミルトンの全米オープン優勝を機に注目を集めるようになった。

 そして、タイトリストなどのクラブメーカーがプロのためのハイブリッドクラブを作るようになると、昨年あたりからツアー選手の間で一気に広がりを見せた。

「今年は、ハイブリッドを使わずして優勝は勝ち取れないというくらいに普及している。有力選手でハイブリッドを入れていないのはタイガーくらい」(PGAツアーのクラブ事情に詳しい松本秀樹氏)というほど。

 ツアーでの人気を反映して、ハイブリッドクラブの市場も急成長を見せている。日本では、タラコといわれていたプロギア『インテスト』やキャスコ『パワートルネード』などで、15年以上かけて浸透してきたユーティリティだが、米国のブームは日本をあっという間に追い越しそうな勢いだ。

 現地メディアの報道などによれば、いま一番売れているクラブは、ドライバーではなくハイブリッドクラブで、3分の1のゴルファーがキャディバッグに忍ばせているという。

 また、メーカーによってはフェアウェイウッドの販売本数をハイブリッドが上回る逆転現象も始まっている。

 日本では、ユーティリティをロングアイアンの代わりにするゴルファーが多いが、PGAツアープロは、5番ウッドを抜いてハイブリッドクラブを入れるケースがほとんどで、それを真似するゴルファーが多いことも一因とか。

 新しいカテゴリーの確立は、中位メーカーにとって大きなビジネスチャンスだ。

 PGA、チャンピオンズ、ネーションワイドの3ツアーで使用率ナンバーワンのアダムスゴルフ「アイデア」は、ライバルメーカーの3分の1程度に抑えた価格戦略も功を奏して、倍々ゲームの伸張を続けている。

 また同社では、昨年からロングアイアンの代わりにハイブリッドクラブを組み込んだアイアンセットを展開したところ、こちらもアイアン部門のベストセラーとなるなど、06年の売上高を前年比35パーセントも伸ばした。

 もちろん上位メーカーも黙っていない。

「レスキュー」で一足早く市場を開拓したテーラーメイドは、従来1機種だけだったハイブリッドクラブに「r7ドローレスキュー」と「バーナーレスキュー」の2種類を投入。従来の「レスキューT」と合わせ、男性上級者から女性まで対応するラインナップでシェア拡大を図る。

「アイアンが5番からのセットになったのも、難しいロングアイアンを抜いてハイブリッドクラブを入れるという前提から。ハイブリッドクラブはもう単独のクラブではなく、シリーズのうちの1本という考え方に変わってきています」(テーラーメイドゴルフ・喜田慎氏)

 ゴルフがやさしくなるならゴルファーは大歓迎。当分、ハイブリッドクラブから目が離せない!?

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