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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/1号
2007/4/19更新
ゴルフ用の「セグウェイ」を初めて導入した
ゴルフ場の≪懸念材料≫

 電動立ち乗り2輪車の「セグウェイ」。国内では公道を走らせることができないが、アメリカではほとんどの州で公道走行が認められ、これに乗る観光ツアーも実施されている。米国ではゴルフ場でも1人乗りカートとして、既に認知されているという。そのセグウェイが先週末(15日)、ついに日本のゴルフ場に登場した。


ゴルフより運転の興味のほうが強い!?

 25メンバース那須ゴルフガーデン(栃木県、9ホール)ではこの15日から営業用のカートとして、セグウェイの稼動を始めた。

 オフロードモデルをベースに、芝を傷めない低圧タイヤとキャディバッグキャリアを装着したゴルフモデル(1台110万円)を4台購入。1台5000円のカートフィで貸し出している。

 ただしこれに乗るには、自動車の普通免許取得が条件で、前もって約30分間の講習を受けなければならない。しかも、講習は指導員の業務上、毎日午後2時~3時となるため、講習後即日プレーは無理。プレーの前に、前もって受講のために一度コースを訪れなければならない不便さがある。

 しかし、それでも評判は上々で、発表後は連日20件もの問い合わせがあったそうだ。なかには、さっそく隣接するホテルを予約、前泊して講習を受け、翌日セグウェイでのプレーを申し込んだ4人組もいた。

 同ゴルフ場ではゴールデンウィークまでに100名の受講者を見込んでいたが、それは軽くクリアしそうな手応えを感じている。

「予約が殺到しないよう、1台5000円という高めの料金を設定したのですが、お問い合わせいただいた方にお聞きすると、全然高くないとの返事でした。ですから、今後どれほどの予約があるのか、正直、見当がつきません」(支配人・川嶋道男氏)

 まだまだ試乗する機会の少ない日本のマニアにとって、5000円で5時間前後も、広々とした芝の上を自由に走り回れるのは、決して高くはないのだろう。そのうえ、好きなゴルフも楽しめるのだから(本末転倒か?)

 川嶋支配人の懸念材料は予想のつきかねる予約数だけではない。最高時速20キロと、案外スピードも出るため、当然、事故は心配。慎重に運転する最初のうちはいいが、慣れるとつい無茶をしたくなるもの。特に、昼食にビールを飲んだ後が心配という。

 また、コース内はほとんどフラットだが、ホール間には斜面もあるので、「なるべくフェアウェイだけを走っていただくよう、お願いするかも」と、普通の乗用カートとは逆のお願いをする可能性もあるようだ。

「時速は6キロの設定。安全面について、最初はきつく注意させていただくかもしれません」(川嶋支配人)というのは仕方のないところだ。他にも、フェアウェイを自由に走行できるセグウェイとカート道走行の乗用カートでは進行のペースが異なるため、渋滞が起こる懸念もある。

 また、例えばセグウェイ2人と乗用カート2人といった組の場合、講習を受けていなプレーヤーがこっそりセグウェイに試乗して……、といった懸念など、すべてが初めてだけに支配人の不安は尽きない。

 同ゴルフ場では、「高価なものですから……」(川嶋支配人)として、年2台のペースで増やしていきたいと目論むが、人気・評判次第ではどう展開するかわからない。

 輸入代理店の日本SGIによれば、「ゴルフ場からのお問い合わせは多数いただいていますが、購入の予約はまだありません」とのこと。他のゴルフ場もこの導入の成り行きを興味津々に見守っている状況なのだろう。

「セグウェイに乗ってみたい」と熱望するゴルファーは多いはず。その願いを叶えるためにも、どうか安全に、そして楽しくプレーしてもらいたいものだ。

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