> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/6号
2007/2/22更新
LPGA公傷制度で大塚有理子が2人目認定。
判断基準は何?

 トーナメント特別保証制度って何? 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が、美人プロとして人気の高い大塚有理子(31歳)の同制度適用を発表したことで、ファンや関係者の間からこんな疑問が寄せられている。俗に言う≪公傷≫が認められた形だが、意外にもこの制度、日本女子ツアーでの適用は95年の小田美岐以来、2人目という少なさ。故障する選手なんてたくさんいるのに一体なぜ? 率直な疑問をぶつけてみた。


5月にカムバックの大塚有里子
どんな活躍を見せるか

 まず、トーナメントの出場有資格選手リストを見ると、最初に前年度賞金ランキング50位までのシード選手がある。その次に来るのが、産休制度と並んでこのトーナメント保証制度の適用者だ。では、どんな場合に適用されるのか。

「申請された故障が、トーナメント期間中に起因しているかどうかというところが、申請が認められるかどうかのポイントです」と、LPGAの高須皓友TPDエグゼクティブ・ディレクター。

 だが、考えてみるとこれが難しい。どうやって判断するのだろうか。

 実は、トーナメントをまとめるトーナメントディビジョン(TPD)の中に、トーナメント特別保証制度専門委員会というものが存在する。構成員は、樋口久子会長、TPD担当の小林洋子副会長、TPD委員、LPGA指定医師(宮永豊筑波大名誉教授)

   規定により、選手から同制度の適用申請が提出されると、2週間以内に委員会が召集され、その是非が決定される。

 大塚の場合は、昨年4月末頃、試合中に痛めた右ひざの故障が悪化。右ひざ滑膜ヒダ障害の診断を受けていたが、今年の1月に手術を受けた。

 その結果、手術後5月までの加療が必要と診断され「1月20日頃」(LPGA広報担当島村深氏)同制度適用を申請した。

 これを受けて2月5日に委員会が開かれ「宮永先生の医学的見解を交えて総合的に判断して」(前出、高須氏)これが認められた。

 これまでにも数人、同制度を申請した選手はいたが、その時は「明らかに故障の原因が試合以外だった」(島村氏)こともあって却下されている。

 大塚の場合、大会期間中に現地で受傷し、そこで受診。診断書もあったことが決め手となったようだ。

 では、これが適用されるとどうなるのか。下図でもわかるように、大塚の場合、5月までの10試合の欠場についてはこの制度が適用される。その後は、通常のシード権を使って試合に出場。ここで2008年のシード権を獲得できれば、そのままこれを行使できる。

 だが、万一、ここで獲得賞金額が不足し、来年のシード権獲得に失敗した場合も、この制度が生きてくる。

 今季、出場できなかった10試合分が繰り越されているため、来季の開幕から10試合に大塚は出場できる。

 10試合で稼いだ賞金と、2007年に稼いだ賞金額を合計し、07年の賞金シード獲得最下位の選手の合計賞金額を超えれば、無事、2008年のシード権が手に入るしくみになっている。

 もちろん、病状に変化があった場合には、委員会で認められば、復帰を早めたり遅くしたりすることは可能。

 現状ではこういった仕組みになっているトーナメント特別保証制度だが、女子のスポーツ界をリードする立場にある女子プロゴルフツアーだけに、常のその見直しは必要だ。

 これについては高須氏も「個人的見解」と前置きした上で「産休制度も含めて、現状の規定はシンプルなもの。もちろん改正はしているが、あいまいなところが多いので、今後、その辺りを考えていきたい」と発言している。

 若手が元気いっぱいで人気の女子ツアー。それだけに公傷制度がより充実することで、さらなる発展を望みたい。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です