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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/6号
2007/1/23更新
フェースのウラにワザあり。
低反発時代の≪広反発≫ドライバー

 丸に三角に四角、さらにはクラウンを凹ませたり飛び出させたりした異形ドライバーまで登場した最近のクラブ事情。見た目も大きさも様変わりしているが、実は見えない部分でも飛距離アップを狙って大きく進化している。


アスタリスクリブ構造のニューゼクシオプライムのフェース

 ルール適合ドライバーの第2世代として登場した07年モデルは、ほとんどが460ccぎりぎりの大きさとなり、さらに慣性モーメントを高めるための形状としてナイキやキャロウェイからはヘッドが四角いドライバーもデビューする。

 ルール適合クラブでは大型化や異形化がデザイン上のトレンドとなっているが、もう一つ、ユーザーからは見えない部分でも大きなトレンドがある。

 多くのクラブメーカーが目を付けたのはフェース裏側のデザインだ。慣性モーメントを大きくするのは、スウィートエリアを広げるなど、どちらかといえばやさしさを増すためのテクノロジーだが、最新のフェーステクノロジーは飛びに直結させるねらいが大きいといえる。

 先駆けとなったのは、ヤマハのダブルエリアフェースだ。

「アマチュアはトウに当たる人、ヒールに当たる人などさまざま。だったら打点のばらつきに合わせてフェースが左右に2枚あればいいのでは」(ヤマハゴルフ用品事業部/土田厚志氏)という発想で作られたインプレスXの06年モデルは、フェースをトウ側とヒール側に2分割する形で縦方向のリブ(突起)が設けられ、その結果、反発力の高いエリアがトウ・ヒール方向に拡大した。

 07年モデルのインプレスXでは、ダブルエリアフェースをさらに進化させたマルチフェースが採用された。これは裏側のリブをX字状に改良し、トウ・ヒール方向だけでなく、上下方向にも肉厚を薄くして反発エリアを広げたものだ。

 同じようにセンターの肉厚部分をX字状にデザインし、上下、トウ・ヒール側を極薄にしたのがハイパーERCだ。

 キャロウェイがハイパーボリックフェースと呼ぶデザインには、反発エリアの拡大と同時に、「スウィートスポットの反発力をルールぎりぎりに設計できる」(キャロウェイゴルフ/松尾俊介氏)というメリットがある。

「X」以外にも様々なデザインが登場している。

「*」(アスタリスク)形はスリクソンWRの新インパクトパワーフェースで、最も厚い中央部、やや薄い*状リブ部分、最薄の周辺部と肉厚を3段階に変化させ、オフセンターヒット時のボール初速を高めるその狙いは他社と同じだ。ニューゼクシオプライムにもこのフェースが採用されている。

 フェースの肉厚は薄く一定にして、その代わりにセンター裏側にコイン状の15-3-3-3チタン材を溶接したのは、マグレガーのマックテックナビNXだ。

 これは、フェース全面の反発力を高めつつ、センターの反発はSLEルールを超えないようコントロールする技術だ。

 このほか、ホンマ・ベレスのパワーサークル構造やテーラーメイドのインバーテッドコーンテクノロジー、ブリヂストンの部分肉厚設計など、フェース裏側のデザインはヘッドの外観以上に個性的になってきたが、フェースの真ん中の反発係数をルール上限に近づけ、なおかつ最大に近い反発力が得られる範囲を広くするという目的に違いはない。

「反発係数の上限が決められた以上、あとは0.83よりやや下のエリアを広げるしかなく、各社が同じ方向に行くのは当然で、フェースの肉厚を変化させるのが今後当たり前の技術になると思います」(前出/土田氏)

 フェースの厚さを変化させるアイデアは高反発ドライバーの時代から存在していたが、当時はもっぱら反発係数そのものを高め、最大飛距離を得るために使われてきた。

 高反発が規制されフェース肉厚が厚くなると重心が前に移動しクラブが難しくなることも懸念された。

 しかし、最新のフェーステクノロジーは、それらを一挙に解決し、最大飛距離と平均飛距離の両方を実現してくれたといえそうだ。

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