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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/23号
2007/1/10更新
米LPGAに続き、JGAも委員会を設置。
ドーピングはゴルフでも常識に

 今年は、ゴルフ界におけるアンチ・ドーピングの元年になるかもしれない。昨年、世界のスポーツ界では、トップアスリートによるドーピング(危険薬物禁止)問題が、いろいろ取りざたされたが、ゴルフ界でも、いよいよ本腰を入れて、ドラッグテストを行う動きが出てきている。

 ゴルフ界では、昨年10月の世界アマチュアチーム選手権で、初めてドーピングのテストが行われているが、こうした状況を受けて、昨年末に、日本ゴルフ協会(JGA)がアンチ・ドーピングの研究委員会を発足させることを発表した。

 アメリカのLPGAでは、今年中にテストの方法やポリシーを確立させて、08年から、ドーピングテストを実施することを発表している。

 世界アマチュアチーム選手権に関しては、「6名のプレーヤーがランダムに選ばれ、結果的には、全員、陰性反応だった」(W・ドライバーUSGA 会長)ということで、ほとんど注目されることがなかった。

 しかし、もともとアマチュアゴルフ界で、ステロイドなどを使用するプレーヤーは、まずいないとされていた上、わずか6名のプレーヤーのテストにとどまっている。

 つまり、この試合に関しては、テストそのものよりも、ゴルフ界に対する≪警鐘≫という意味合いがあったのだ。そして、これによって、ゴルフ界へのドーピングテスト導入の流れが出来上がったといえそうだ。

 日本のJGAも「世界的な動きの中で、(日本の)政府も予算を組んで、テストの検体数を増やす方向で動き始めている。

 そうした中で、JGAも2月の理事会で、アンチ・ドーピング委員会発足の承認を経て、3月には委員会が立ち上がることになるはず。いつ、どのようにテストを行うかは、今後委員会が決めてゆくが、テスト導入へ動き出したことは間違いがない」(塩田JGA事務局長)

 しかし、ゴルフ界でもっとも疑わしいとも言われている、米LPGAが、テスト導入を決めたことは大きい。

「私たちのプレーヤーが、薬物を使用したという証拠はどこにもないが、スポーツ界における薬物の使用を考慮するならば、私たちも明確なポリシーとプログラムを持つ必要が生じている。(中略)ドラッグ・フリー・スポーツ社の指導の下に、メンバーたちの健康と安全を守るポリシーをつくり、また、誰も薬物によって有利になることがないようにしてゆくつもりだ」(C・ビベンスLPGAコミッショナー)

 ということで、今年の前半に、どのような形でドーピングテストを行うかを決め、シーズン後半には、テストの詳細を発表する模様だ。

 LPGAに協力するドラッグ・フリー・スポーツ社は、現在、アメリカの大学運動部協会(NCAA)のドーピングテストを行っている会社で、検体者をランダムに選んで、テストを行っている。

 これにより、LPGAも毎試合、出場選手全員がテストを受けるといった、オリンピックのようなもっとも厳しいテスト方式をとることはないように思われている。毎週行うトーナメントで、全員のテストを行うには、時間的にも財政面でも無理があるからだ。

 むしろ、LPGAでは、薬物に関してのプレーヤー達への教育に力を入れるのではないかと推測されている。

 男子のPGAツアーでは、テスト導入については、まだ消極的で、基本的には「薬物を使用してもゴルフのスコアは良くならない」という考え方なのだが、うがった見方をすれば、パワーゴルフ全盛の中で、もし、トッププレーヤーの薬物使用が発覚でもすれば、ツアーの人気もがた落ちになる。それを恐れて、テストを導入できないなんて声も聞く。

 そうした意味でも、1年間の猶予をおいて、2008年からLPGAがドーピングのテストを行うと発表した点も、興味深いものがある。

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