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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/4号
2006/3/23更新
本間ゴルフが横田真一夫妻とW契約
創業家一掃、新経営陣で再スタート図る

 昨年6月、東京地裁に民事再生法適用を申請し、経営破たんした本間ゴルフだが、その後、進めていたスポンサー支援型の再生に取り組んでいた。3月7日、再生計画に基づいた減資、ならびに日興アントファクトリー株式会社とマイルストーンターンアラウンドマネジメント株式会社の2社を引き受け先とする増資を行い、東明浩新社長体制で新スタートを切った。


ヨコシンもホンマも「新体制」

 この発表と同時に、新しい企業イメージを担う『顔』となったのが横田真一だ。所属先とボールを除く総合契約を結んだ。

 さらに同社のウェアを気に入った横田夫人のタレント、穴井夕子にも目をつけ、近頃、各メーカーがしのぎを削るレディス市場にも進出しようと、ウェア部門の開拓を目指し、夫婦で3年間の契約にこぎつけた。

 本間ゴルフといえば、昔ながらの職人仕事で知られ、パーシモンヘッド時代には、玄人好みのクラブが日本だけでなく、特に韓国を中心に人気だったが、メタル、チタンへと素材が移行するのに立ち遅れた。

 同時に和歌山県と熊本県に保有していたゴルフ場の経営も重荷になって、破産への道を歩んだ。

「世界に冠たるブランドで、オーナー会社としてやってきた会社だが、マーケットの多様化、グローバル化に伴い、組織力を増強したい。原点に立ち返り、ユーザーのニーズを考えた経営を目指す」と力強く口にする東社長を始め、新経営陣はいずれも外部の人材で、同時にイメージを一新。

 これまでの伝統的なブランドを、洗練されたものとして広めようとしている。それだけに横田の使命は重要だ。

「(横田プロは)クラブに対する思い入れが強く、試作品へのアドバイスなどもしてくれる。工場では開発チームと熱く語っていた。広告、宣伝だけでなく開発面での強力なサポーターとしての包括的契約です」(東社長)と、クラブに関してはツアーでもトップクラスのこだわりと、職人肌の部分が買われての契約だ。

「契約金については、こういう時期ですし、金額は言いたくありませんが、ご夫婦二人で3年間、それなりの値段と思っていただければ」(桑木野洋二宣伝担当係長)

 1年4000万円(推定)とも囁かれる金額は、ツアー1勝(97年全日空オープン)の選手に対しては破格の期待料と言えそうだ。

 横田自身も当面、使用が決まった新ブランド、BERES(べレス)のクラブに信頼を置いている。

「僕たちプロにとってクラブは生命線。ドイツの刃物のように切れのいいアイアンと、吸い付きのいいきめ細かなアプローチができるウェッジ。これに8000円もする、いわゆる鮪でいうならトロのようなクオリティの高い、しっとりとした手袋でプレーすることにワクワクしています。打ち込みはこれからだけど、クラブは打てばすぐわかりますから」と絶賛。

 とくに山形県酒田市の自社工場を訪れた際には、「こんなに職人が残っているところがあったのか」と、感激したそうだ。

 昨シーズンは選手会長という激務(QTファイナルが延期になっており、ツアープレーヤーが決定しないため、いまだ現職)にありながら、賞金ランク14位とまずまずの成績を残しているが、優勝にはあと一歩、届かなかった。

 最終戦の日本シリーズで2位タイと、今季に期待をつないだところでの新契約は、横田にとっても、本間ゴルフにとっても大きな転機だろう。外部の『血』を注入し、再起にかける職人企業と、34歳の「若き職人プロ」の出会いが、どんな結果を残すのか。

 開幕まであと約3週間。「優勝できるんじゃないかな」と胸を張った横田が、新たに手にした武器をどう生かすのか注目したい。

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