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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/20号
2005/9/15更新
全米アマチュアでイタリア人が初めて優勝
メジャー出場権を得て「プロ転向は1年延長」

 先週行われた全米アマチュア選手権で、イタリア人プレーヤーが史上初めて優勝した。参加者が7300名を超えるという、アマの世界最高峰を競う試合で、欧州人が勝ったのは1911年以来というから、まさに快挙だ。

 優勝したのは、まもなく大学工学部を卒業するという24歳のエドアルド・モリナーリという青年。今回の優勝で、来年のマスターズと全米オープンの出場権を自動的に獲得し、加えて全英オープンの出場までお呼びがかかっているという。

 ただしメジャー出場は、あくまでアマチュア資格でいることが条件。今秋からプロに転向し、来年からヨーロッパツアーに参戦する計画を持っていたモリナーリは、今回の優勝でアマチュア資格をしばらくキープすることになりそうだ。

 過去にイタリアアマ、トルコアマも制した実力のあるモルナーリにすれば、1年ぐらいプロ転向を遅らせとしても、どうということはないかもしれない。それよりも「世界最強のアマチュア」としてメジャーでプレーするほうが、栄誉があると考えているようだ。

 今年の全米アマは、1930年に球聖ボビー・ジョーンズが年間グランドスラムを達成したメリオンGCで開催されたことと、その年からちょうど75周年にあたることから、何かとボビー・ジョーンズのことが引き合いに出された。

 考えてみれば、生涯アマチュアを通したジョーンズの場合も、全米オープン、全米アマのほかに全英オープン、全英アマに勝っているのだから、船で大西洋を横断しなければならない時代だったし、金銭的にも現在以上に海外遠征は大変だったはず。ある意味で、金持ちでなければトップアマにもなれない時代だったとも言えるだろう。

 そうした中で、USGAとR&Aが来年からアマチュア規定を変更する計画があることを発表した。

「アマチュア規定が出来て以来のもっとも大きな改訂」(USGA)になるという、今回の変更の目玉は、「家族以外からも試合の参加費用の援助を受けることが出来る」というものだ。

 これまではジュニアがアマチュアの試合で、大会を主催する団体から経費をもらうことは許されていたが、今回の改訂では、あらゆる年齢のアマチュアが来年から交通費や宿泊代、大会参加費などを大会スポンサーなどから受けることが出来るようになるようだ。

「アゴ足付き」といっても、あくまで大会主催者が地区のゴルフ団体にアマチュアプレーヤーの経費を支払い、ゴルフ団体から選手がお金をもらうという形で、ゴルフ団体が選手のコントロールをする形式だ。

 女子のトップアマであるミッシェル・ウィやモーガン・プレッセルなどは、アメリカ各地のプロの試合に参戦するばかりでなく、フランスやイギリスのプロの試合にまで出ている。

 彼女たちが出場すれば、テレビの視聴率やギャラリー数が増えるので、スポンサー諸団体は、彼女らに経費を支払う準備がある。しかし現在のアマチュア規定では、それもままならない。

 逆に遠征費用が高額化しているため、アマチュア規定が足枷となり、アマでいたくても資金のことを考えると、さっさとプロ入りしたほうがいい、という状況になっている。

 全米女子アマに勝ったプレッセルにしても、17歳でのプロテスト受験は認められたものの、実際のLPGAの試合出場は来年、18歳になってからという変則的な立場に追い込まれている。

 プロテストを受けた時点でアマチュア規定から外れることになるが、プロの試合にも出られない、という奇妙なことになりそうだ。

 あるいは、もし本人が大学進学志望であっても、アマチュアとしてゴルフを続けるためにはお金がかかりすぎるため、プロ入りせざる得ない、という状況も考えられる。

 アマチュア規定変更については、まだホールインワンをした時にもらえる金額などを巡ってR&AとUSGAの間で調整が必要ということだが、出場経費の問題は、ほぼ決定に間違いないようだ。これでプロ入りを思いとどまるプレーヤーが増え、トップアマの実力が上がるかも。

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