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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/23・30合併号
2005/8/25更新
上半期の法的整理件数は4年間横ばい
倒産が日常茶飯事のゴルフ場事情

 昨年暮れから、富士カングループの一連の法的整理でスタートした2005年。上半期を振り返ってみるとゴルフ場企業の法的整理件数は過去4年間、ほぼ横ばいが続いている。社会全体としては大幅に倒産件数が減少していく中、ゴルフ場だけはいまだに処理が続いていることになる。

 民間調査会社の東京商工リサーチによると、今年1月~6月までの倒産件数(法的手続きと、手形の不渡りによる銀行取引停止処分を含む)は6401件。

 対前年比では9.48パーセントの減少で、負債総額では3兆4920億円と対前年比での減少幅は16.14パーセント。

 平成14年の上期と比較すると、倒産件数で34.26パーセント、負債総額では実に53.36パーセントも減っている。

 個人の懐具合をモノサシにするとあまり実感はないが、株式市場の活況や上場会社の好決算が景気の回復を表しているのは明らかだから、世の中全体の倒産件数が減少トレンドであることからも、景気回復は裏付けられているわけだ。

 ところがゴルフ場関連企業となると、過去4年間の上期で比較してみると、件数では毎年43件~45件とほぼ横ばい。負債総額でも、今上期は約1兆円で、4期前と比較すると2割程度下がっているとはいえ、世の中全体の減少幅と比べれば減少幅にはかなりの差がある。

 まずは大ざっぱにこの半年の法的手続きをおさらいしてみよう。最大規模だったのは2月のシンコーグループの民事再生で、負債は2020億円。

 昨年暮れから順次法的手続きが始まった富士カングループでは、1月の富士エクセレント倶楽部(負債958億円)と、2月の富士カントリー小野クラブ(負債297億円)の民事再生の2社。

 富士カングループは、法的手続きが必要なコースとそうでないコースに分け、事実上法的手続きが必要なコースを、法的手続きを通じてグループから切り放す方法をとった点が、従来の大手グループの法的手続きと異なっている。

 大企業系列では、旧ダイエー系列のオリエンタルゴルフコーポレーション(負債300億円)と、旧住友石炭鉱業系列のエスシーエム興産(奈井江CC、新千歳CC経営、負債263億円)が、やはり2月に民事再生手続の開始申立に踏み切った。

 また、RCCの存在も見逃せない。1月の富士河口湖倶楽部(負債170億円)と、その系列の身延ゴルフ倶楽部(214億円、2月)、5月のギャラック(美濃CC、ギャラクシー淡路リゾート経営、負債690億円)は、いずれも債権者であるRCC申立による破産だ。

 日栄総業(南千葉ゴルフ倶楽部、負債342億円)も、昨年7月に債権者であるRCCが会社更生手続きの開始を申立てていたが、その後再建は不可能との判断から、3月に破産宣告が下りている。

RCC以外でも、4月の東京国際カントリー倶楽部(負債120億円)の会社更生は債権者である虎ノ門債権回収の申立だし、5月の佐藤興業(笠間CC、負債570億円)の破産も債権者申立だ。

 ゴルフ場経営にも手を染め、6月に民事再生手続きに踏み切った本間ゴルフも、借入金返済を頑張り続けたが、それでもなお残る返済の見通しが立たないことを理由に、事実上監査法人が引導を渡した形だった。

法的手続きに対するアレルギーが急速に後退したここ数年間、ゴルフ場の倒産が日常茶飯事になって久しいが、まだまだ頻繁に法的手続きのニュースが飛び込んでくるということは、それだけゴルフ業界が世間の流れからは遅れをとっているということだろう。

 預託金制度という矛盾に満ちたルールを長年認め、オイルショック後の第一次預託金騒動の際にも抜本策をとらず、バブル期に矛盾をとことんまで拡大させてしまったツケは重い。

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