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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/19
2005/4/15更新
今年も地震災害が心配な日本のゴルフ場
新潟中越の復興状況と九州福岡の被害現場
 昨年10月23日、震度6強の地震に見舞われた新潟中越地方。もっとも被害の大きかった小千谷市にある小千谷CCは、グリーンの陥没、カート道路の隆起、クラブハウスの内装剥離……と甚大な被害に遭遇し、クローズを余儀なくされた。しかしその復旧工事のほかに補修工事も敢行、6月の新潟ゴルフ連盟主催のNGAオープンゴルフトーナメントの予選会場に指定されるまでに復興した。現在は雪のためクローズ中だが、4月23日のオープンを目指している。

 小千谷CCが甚大な被害を受けたと聞き、小誌記者が同CCに向かったのは翌日のこと。関越道、北陸道が通行止めだったこともあり、小千谷近くまで辿りついたのは約9時間後。だが家は倒壊、道路は陥没……歩いてコースに向かうしかなかった。「クラブハウス内は棚が倒れ、天井も一部落下していた。13番グリーンには亀裂が入り、約20センチ陥没していた。あの時点で、再オープンなどは考えられる状態ではなかった」と、取材にあたった記者は話していた。

 諸橋忠助支配人も、当時のことをこんな風に振り返る。

「地震被害もさることながら、正直苦しかったのはその後の19年ぶりの大雪です。一昨年が4月5日、昨年が4月3日にオープンしていますが、今年はまだ根雪がある状態。正直、弱気になった時期もありましたが、勇気づけてもらったのは全国からの励ましでした。『立ちあがれ! 団結中越』のスローガンの元、コースの再開が復興のシンボルになろうと、従業員一同、大雪のコースで頑張ってきました」

 復旧工事のほか、平成元年のオープン以来、初めてとなる大がかりな補修工事も敢行。もともとグリーンコンディションには定評があったが、「震災前以上のクォリティになりました」(諸橋支配人)

 5月中旬には中越地方の1日も早い復興を祈念して、「復興祈念チャリティゴルフ大会」も計画している。盛況な大会となることで、「地域に元気を与えるゴルフコースでありたい」(同支配人)というわけだ。

 それにしても、3月20日には福岡県西方沖で、震度6弱の地震があったばかり。比較的地震の少なかった九州地方を襲った地震だけに、日本列島が地震の活動期に入ったと見る専門家もいるほどだ。

 この九州の地震では、福岡市にある西戸崎シーサイドCCで、池に面した14番ホールに亀裂が入り、15番のティグラウンドが一部崩壊。

「14番のグリーン横は、50センチと1メートルの2本の地割れが起き、地震の恐さを思い知りました。しかし人的な被害がなかったことが不幸中の幸いでした」(安本重信支配人)

 地震の発生は午前11時前。上空をヘリコプターが飛び、津波警報が出された。客は従業員の指示に従って落ち着いた行動に徹し、パニックらしいパニックもなかった。

 震災の影響で20日から25日まではクローズとし、26日から営業を再開。ただし14番を封鎖、15番パー4をパー3とし、インコースは17ホール、パー32での変則営業。

「安心してお客様に来ていただくことが復興になると信じ、料金を安く設定するなど従来どおりのサービスを徹底しています」(同支配人)

 玄海GCでは、約2500m2の土地が陥没した。ラフと松林でプレーに影響のない場所だったことが幸いだったが、「池の水が上っていくのを目撃したというお客様もおり、地震の恐ろしさを知りました」(同GC従業員)

 もっとも同GCでは、当日もその後、通常営業を行っており、地震の影響はまったくといっていいほどない。

「ただ玄海沖地震と報道されることもあり、その風評被害が心配です」(前出・同GC従業員)

 茨城県や栃木県では地震の際、ゴルフコースが避難場所として名乗りを上げ、行政と協定を結ぶ動きも現れだしている。地震が頻発する日本列島だけに、ゴルフコースができること、ゴルファーができることは、まだまだあるはず。何より元気で楽しくゴルフをすることが、被災地にも被災者にも元気を与えることになる。

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